体温はどのようにして保たれているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は体温調節について説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
体温はどのようにして保たれているの?
体温調節を行うのは、間脳にある視床下部です。
視床下部には体温調節中枢があり、視床下部を流れる血液の温度変化に反応して体温をコントロールしています。また、皮膚にある温度受容器(温点・冷点)で感知された情報も、感覚神経によって体温調節中枢に伝えられます。
体温調節の仕組みは、エアコンやファンヒーターの自動調節機能に似ています。これらの機器では、ある一定の温度にセットしておくと、外気温の変化に応じて運転の強弱を変え、常に室温が一定に保たれるように調節されます。
体温調節中枢の働きも同様です。体温調節中枢は届けられた情報を検証し、あらかじめ定められている中枢の基準値(セットポイント)と比較したうえで、体温を下げる、あるいは上げるための指令を出します。
体温調節の具体的な方法は、体内で産生する熱量(産熱量)と体外に放出する熱量(放熱量)の増減です。これらの調節には、知覚神経、自律神経、アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなど、神経系と内分泌系が相互に影響し合いながら係わっています。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版