体温はどのようにして保たれているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は体温調節について説明します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
体温はどのようにして保たれているの?
体温調節を行うのは、間脳にある視床下部です。
視床下部には体温調節中枢があり、視床下部を流れる血液の温度変化に反応して体温を制御しています。また、皮膚にある温度受容器(温点・冷点)で感知された情報も、感覚神経によって体温調節中枢に伝えられます。
体温調節の仕組みは、エアコンの自動調節機能に似ています。これらの機器では、ある一定の温度に設定しておくと、外気温の変化に応じて運転の強弱を変え、常に室温が一定に保たれるように調節されます。
体温調節中枢の働きも同様です。体温調節中枢は届けられた情報を検証し、あらかじめ定められている中枢の設定温度(セットポイント)と比較したうえで、体温を下げる、あるいは上げるための指令を出します。
体温調節の具体的な方法は、体内で産生する熱量(産熱量)と体外に放出する熱量(放熱量)の増減です。これらの調節には、知覚神経、自律神経、アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなど、神経系と内分泌系が相互に影響し合いながらかかわっています。
※編集部注※
当記事は、2019年4月15日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版