いつから胎児と呼ばれるようになるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は胎児に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
いつから胎児と呼ばれるようになるの?
胎芽は胎齢8週間で一定レベルにまで分化します。
頭部には目や耳になる部分が作られ、手や足の指も原型ができ、尾が消失します。この段階から先は分化ではなく成長が主になるので、受精後第8週(胎齢8週)から、胚子は胎児と呼ばれるようになります。
同じ頃、子宮壁にもぐり込んだ胚盤胞の栄養細胞が盛んに増殖し、多数の突起(絨毛(じゅうもう))を出して周囲から栄養を吸収するようになります。
他方、子宮側も子宮間質の細胞が増殖して脱落膜(だつらくまく)を形成し、ここに絨毛と胎盤の密接な関係ができ、胎盤(たいばん)が完成します。胎児は母体の血液から栄養分を吸収して成長を続けます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版