骨同士はどうやってつながっているの?|関節の構造と種類
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「関節」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
骨同士はどうやってつながっているの?
成人には約200個の骨がありますが、これらの骨の連結方法は、大きく分けて2つあります。
1つは、頭蓋骨や恥骨のように骨と骨が軟骨や膠原線維などで直接連結しているもので、連結している骨同士は動きません。こうした結合のことを不動結合(ふどうけつごう)といいます。
もう1つの連結方法が関節です。不動結合との大きな違いは、骨と骨の間にわずかな隙間(関節腔)があり、これを袋状の膜(関節包)が包んでいるという点です。関節腔は少量の滑液(かつえき)によって満たされているので、2つの骨は滑らかに動きます(図1)。
しかし、変形性関節炎のように炎症や外傷によってこの部分が滑らかさを失うと、関節運動に支障をきたします。
関節は形によって様々な種類があり、どのような運動をする必要があるかによって骨と関節の形が決まります。
例えば、肩関節のように自由に動く必要がある部位は、半球状の関節頭と、お椀状の丸い凹みから構成される球関節になっています。
肘関節のように、屈曲と伸展の2つの運動に限られるとしても安定性が必要な部分は、チョウツガイのような蝶番(ちょうつがい)関節になっています。
このほか、楕円関節、鞍(あん)関節、車軸関節、平面関節、半関節などの種類があります。
MEMO関節
骨と骨をつなぐ連結部分。軟骨や膠原線維などで連結されている不動結合も関節の一種ですが、通常、関節というと、滑液を含む袋(滑膜)を介して骨が連結したものを指します。関節は靱帯で補強され、その周囲を筋肉が取り巻いています。
MEMO変形性関節症〔へんけいせいかんせつしょう〕(OA)
関節は上からかかる荷重を支えるとともに、筋の収縮に伴って運動を起こすという役割もあり、常にストレスがかかっています。その結果、関節軟骨の変性や磨耗が生じやすくなり、滑らかな動きができなくなります。変形によって関節機能に支障をきたした状態を変形性関節症といいます。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版