関節はどのような動きをするの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「関節の動き」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
関節はどのような動きをするの?
関節の動き方には、屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋、回内・回外などがあり、これらの動きはそれぞれ対をなす動きをしています(図1)。
図1関節の動き
関節の動き方にはさまざまあります。
屈曲(くっきょく)・伸展(しんてん)
基本的には、屈曲は関節の角度が小さくなるような運動、伸展は関節の角度を大きくするような運動です。膝を曲げた状態が屈曲、伸ばした状態が伸展ということになります。
肩関節の場合には、上腕を挙上する運動を屈曲といい、上腕を後ろに上げる運動を伸展といいます。
内転・外転
内転は身体の正中面に近づける運動、外転は身体の正中面から遠ざける運動です。たとえば、腕を身体の軸に近づける動きは内転、腕を身体から離すような動きは外転です。
内旋・外旋
上腕や大腿などを、骨の長軸を軸にしてコマのように回転させる動きを回旋といいます。正中面に近づける動き(内側に回転させる動き)を内旋、正中面から遠ざけるような動き(外側に回転させる動き)を外旋といいます。
回内・回外
前腕を前に差し出し、手のひらを伏せるような位置をとることを回内、反対に手のひらを上に向けた位置をとることを回外といいます。回内では尺骨が回旋して交差して見えますが、回外では橈骨と尺骨が平行になります。回内・回外は前腕の回転にだけ使う言葉です。
※編集部注※
当記事は、2018年2月26日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版