自律神経はどのように働くの?|自律神経の働き
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「自律神経のはたらき」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
自律神経はどのように働くの?
自律神経は無意識に営まれている呼吸、循環、消化などを制御している神経です。互いに拮抗して働く、交感神経と副交感神経の2系統があります。
交感神経は生きていくためにエネルギーを消費する方向に働くシステムで、副交感神経は将来の活動のためにエネルギーを補充する方向に働くシステムです(図1)。
図1交感神経と副交感神経の働き
交感神経は昼間、活動しているときに骨格筋に大量の血液を送り、心拍数を上げたり、末梢血管を収縮させて血圧を上昇させてエネルギー消費を増加させますが、消化液の分泌を抑え、また運動を制限します。
副交感神経は、安静時にエネルギーを補充するためのシステムです。このため、交感神経とは反対に消化を促進し、内臓や脳に血液を送って疲労回復を図ります。その結果、心拍数は減少し、血圧も低下します。
※編集部注※
当記事は、2018年1月8日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版