自律神経の自律とはどういう意味?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「自律神経」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
自律神経の自律とはどういう意味?
自律というのは、哲学では理性以外の外的権威や自然的欲望に拘束されず、自ら普遍的な道徳法を立ててこれに従うことという意味です。これを生理学的な意味に置き換えると、脳からの意志による支配がなくても、独立して自主的に働くということになります。
すなわち、睡眠中でも心臓が一定のリズムを刻む、あるいは心臓を意思の力で速く拍動させることができないように、意思とは関係なく働くことを自律といいます。
しかし現実的には、自律神経は完全に中枢神経から独立しているわけではありません。間脳にある視床下部が自律神経の最高中枢で、ここからの指令によるコントロールを受けています。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版