グルコース(ブドウ糖)はどのように細胞に吸収されるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回はグルコースの吸収に関するQ&Aです。
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山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
グルコース(ブドウ糖)はどのように細胞に吸収されるの?
グルコースが細胞に取り込まれないと、細胞はエネルギー源を失い、活動することができません。
多くの細胞には、インスリンというホルモンの受容体があります。その受容体にインスリンが結合すると、チロシンキナーゼという酵素が活性化されて細胞膜の透過性が高まり、糖が細胞内に入りやすくなります。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島〔β(B)細胞〕から分泌されるホルモンで、食事によって血糖値が上昇することが刺激になって放出されます(図1)。
図1膵臓の構造
インスリンは血中グルコースの細胞への取り込みを助け、細胞にエネルギーを補給するとともに、血糖値を下げるという役割を果たしています。
ランゲルハンス島〔α(A)細胞〕から分泌されるグルカゴンは、肝臓のグリコーゲンをグルコースとして血液中に放出させる働きがあり、血糖値を上昇させます。
通常は、グルコースとインスリンのバランスが保たれ、血糖値はほぼ一定ですが、このバランスが崩れると血糖値が変動します。
血糖値が高く保たれてしまう状態が糖尿病です。
※編集部注※
当記事は、2017年2月16日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
[次回]
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版