糖質はどのような形で吸収されるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は糖質の吸収に関するQ&Aです。

 

[前回]

基礎代謝って何?

 

糖質はどのような形で吸収されるの?

糖質は炭水化物ともよばれ、単糖オリゴ糖(少糖)多糖に分けられます。

 

組成式を表すとCn(H2O)m[n、m=係数]となるものが多いため、炭素と水からなる化合物ということで、炭水化物とよばれています。

 

数個の水酸基(-OH)とケトン基(>CO)、アルデヒド基(-CHO)をもつ化合物を基本分子とし、基本分子が数個から数千個結合しています。

 

糖質が吸収されるためには、消化酵素によってグルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどの単糖に分解される必要があります。単糖というのは、糖質の基本分子1個から構成される糖です。数千個の基本分子が結合した炭水化物であっても、すべて単糖まで分解された後で小腸で吸収されます。

 

吸収されたグルコースなどの単糖は、門脈から肝臓を経て全身に運ばれ、エネルギー源として用いられます。

 

MEMO単糖

糖質の基本分子1個から構成される糖で、グルコース、フルクトース、ガラクトースがこれに当たります。グルコースとフルクトースは果物やはちみつに含まれ、ガラクトースは乳糖のかたちで乳汁に含まれています。

MEMOオリゴ糖(少糖)

数個から数十個の糖質の基本分子から構成される糖。スクロース(蔗糖)はサトウキビやテンサイに含まれ、一般には砂糖といわれます。マルトース(麦芽糖)は大豆を発酵させた麦芽に、ラクトース(乳糖)は乳汁に含まれています。なお、基本分子が 2~10個のものをオリゴ糖(少糖)といいます。

MEMO多糖

数百から数千の糖質の基本分子から構成される糖。スターチ(でんぷん)は穀やイモ、多くの豆に含まれます。また、デキストリンは水飴に、グリコーゲンは動物の肝臓や筋に含まれています。

 

多糖も最終的にグルコース(単糖)に分解されますが、分解に時間がかかるため、多糖を摂取すると腹持ちがよくなります。

 

※編集部注※

当記事は、2017年2月6日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

[次回]

糖質を毎食とる必要があるのはなぜ?

 

⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ