女性の導尿時、カテーテルの挿入の長さが4~6cmなのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は女性の導尿に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
女性の導尿時、カテーテルの挿入の長さが4~6cmなのはなぜ?
女性の尿道は短く、これ以上長いと膀胱壁を傷つける恐れがあるためです。
〈目次〉
女性の尿道の長さは
女性の尿道は男性と比べて短く、約4cm(3~5cm)の長さであるといわれています。カテーテルの先端は膀胱内に届けばよいわけですから、カテーテル挿入の長さも4~6cmあれば十分といえます。逆に、これ以上長く挿入すると、先端が直接膀胱粘膜を損傷する可能性があり、一般的に10cm以上の挿入をしてはいけません。
男性の尿道の長さは
男性の場合、陰茎部の尿道が長く、18~20cmの長さがあり、カテーテル挿入の長さも18~22cm必要です。
このような解剖学的な違いから、女性のカテーテル挿入は、外尿道口の確認さえできれば、男性と比較して容易であるといえます。
導尿によって血液混入がみられたら
もしカテーテルを通常よりも長く挿入して膀胱壁を傷つけてしまった場合、血液の混ざった尿が流失します。以前から血尿のなかった患者では、カテーテル挿入後の出血は、膀胱壁損傷の可能性があると考えられます。
また、高齢者の男性の場合には前立腺肥大により、尿道が狭窄していることも多いため、尿道損傷の可能性が高くなります。
⇒〔看護技術Q&A一覧〕を見る
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版