SpO2が90%以下のときに、早急な対応が必要なのはなぜ?

 

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回はSpOに関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

SpO2が90%以下のときに、早急な対応が必要なのはなぜ?

 

SpO2が90%ときは呼吸不全の状態で、SpO2が75%のときは心虚血性変化をもたらす危険性があり、SpO2が50%のときは意識障害や昏睡状態に至る危険性があるため、早急な対応が求められます。

 

SpO2とは

パルスオキシメータで測定した経皮的動脈血酸素飽和度のことです。酸素の多くは血液中のヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。全身のヘモグロビンに対して酸素と結合しているヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)の割合を示したものを酸素飽和度(SaO2)といいます。

 

SpO2モニターで測定した数値(SpO2)と動脈血酸素飽和度(SaO2)とは、ほぼ一致します。動脈血酸素飽和度(SaO2)と動脈血酸素分圧(PaO2)との関係は、酸素解離曲線で示されます(図1)。

 

図1ヘモグロビンの酸素解離曲線

ヘモグロビンの酸素解離曲線                  

 

つまり、SpO2が90%のときはPaO2は約60mmHgであり、呼吸不全の状態と判断できます。

 

SpO2が75%のときはPaO2は約40mmHgであり、心虚血性変化をもたらす危険性があります。

 

SpO2が50%のときは、PaO2は約27mmHgであり、組織障害をきたし、意識障害や昏睡状態に至る危険性があります。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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