CT(コンピュータ断層撮影)検査|画像検査
『看護に生かす検査マニュアル』より転載。
今回は、CT検査について解説します。
高木 康
昭和大学医学部教授
〈目次〉
CT検査とはどんな検査か
CT検査とは、X線断層撮影によって得られた画像をあらためてコンピュータ処理し、再合成することによって、従来なら描き出せなかったわずかの濃度差も抽出できるようになった診断法である。放射線障害の問題を除けば、被検者に対する侵襲はほとんどない。
CT検査の目的
- 各臓器の形態異常の断層面を画像化し診断する。
- 造影剤を注入して臓器の血流および血管との関連をみる。
CT検査の実際
CT検査前の処置
- ①被検者に検査の目的、方法を説明する。
- ②造影剤使用時は部位に関わらず、また、腹部や骨盤の撮影時は検査前一食を禁食とする。
- ③検査は静かに臥床した状態で行われるため、体動が激しい場合(乳幼児等)、医師の指示により鎮静薬、催眠薬を与薬することがある。
- ④排尿を済ませる。
- ⑤ヘアピン、アクセサリー、義歯が外されているかを確認する。
- ⑥部位によっては必要時検査着に着替え、装飾品や湿布などを除去する。
CT検査中
1)腹部の場合
- ①撮影部位を動かさないように説明する。
- ②被検者を撮影台に仰臥位にし撮影を行う。
- ③造影剤使用時は静脈注射後に、血管痛の有無と気分不快などを観察する。
- ④撮影台に仰臥位にし、呼吸方法を説明する。
2)骨盤の場合(膀胱・直腸などを含む)
①〜③は腹部に準ずる。
3)胸部・血管系の場合
①〜③は腹部に準ずる。
④撮影台に仰臥位にし、呼吸方法を説明する。
CT検査において注意すべきこと
- 禁食指示がある場合は、検査前に食事をしていないことを再確認する。
- 造影剤の副作用に注意する。
- 腹部・骨盤CTを受ける1週間以内に、消化管の造影剤使用の検査を受けていないことを確認する(食道・胃透視・注腸など)。
- 検査後は、造影剤の排泄を促すために水分を多めにとるように説明する。
- 糖尿病のある人で禁食指示がある場合は、内服薬・注射は医師の指示に従うよう説明する。
- 検査中、顔色・全身の状態を観察するため、化粧・口紅・マニキュア等は控えてもらうように説明する。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂版 看護に生かす検査マニュアル 第2版』 (編著)高木康/2015年3月刊行/ サイオ出版