有利な資格・経験はある? 訪問看護師に向いている・向いていない性格って?
訪問看護に向いている・向いていない性格やタイプについて、それぞれ5つの特徴をまとめました。必要な資格・経験についても解説します。
目次
訪問看護師に向いている人 特徴5つ
1生活に寄り添う看護がしたい
「生活の視点からの看護」に関心のある方が、訪問看護師には向いています。
治療することが最優先の病院看護に対して、訪問看護は利用者さんの生活に寄り添った看護が求められます。
医療処置も行いますが、治すよりも維持する・生活を支えるという視点が大切です。
1回の訪問は30~90分と限られますが、その間は、1人の利用者さんとそのご家族だけにじっくり向き合うことができる時間です。
先輩からヒトコト
入退院の目まぐるしい急性期病棟で「もっと時間をかけて患者さんにかかわりたい」と考えている看護師さんにも、訪問看護師は合っているでしょう。
2プライベートも大切、夜勤が合わない
「子どもがいて土日のお休みが欲しい」「夜勤のある不規則な生活リズムが身体に合わない」という看護師さんには、病院よりも訪問看護が向いているかもしれません。
訪問看護師は平日・日勤がメインで土日の休みが多く、病院のような夜勤がない働き方が特徴です。
オンコール対応は月数回ありますが、基本的に自宅で待機できますし、緊急訪問のない日もあるので、「病院の夜勤より楽になった」という方は多いようです。
先輩からヒトコト
訪問看護ステーションにもよりますが、夜勤手当がないわりには給料も高い水準なので、ワークライフバランスの取れた働き方がかないやすいといえます。
3コミュニケーションが得意
訪問看護師には、コミュニケーション能力が求められます。「人と話すのが好き」「コミュニケーションスキルが高い」とよく評価される方は、訪問看護師に向いているタイプと言えます。
利用者さんやご家族との会話から必要な情報を収集したり、ご本人の意思を尊重したケアを考えたりと、訪問看護の現場は、看護師のコミュニケーション力の見せどころ。
また医師、ケアマネジャー、介護スタッフ、リハスタッフ、行政など、訪問看護師は多施設多職種と連携しなくてはいけません。
訪問看護ステーションの採用面接などでは、積極的にコミュニケーション能力をアピールしましょう。
4あいさつ、マナーがしっかりできる
利用者さんのご自宅にお邪魔する訪問看護師は、あいさつやマナーを大切にできる人でないと務まりません。
病棟で働いていると名刺交換の機会もあまりありませんが、訪問看護師は、初めての利用者さんにきちんと名刺をお渡ししてあいさつするところから、信頼関係を築きます。
先輩からヒトコト
社会人としても、人のプライベート空間に立ち入る立場としても、基本的なマナーの順守が必須です。
5「病院の外」や経営・起業に関心がある
「病院以外の看護にチャレンジしたい」「経営に興味があって将来的には起業も考えている」という方も、訪問看護師に向いています。
病院から退院していく患者さんの「その先」を看たいと、訪問看護ステーションに転職する看護師さんは少なくありません。
また、訪問看護ステーションは看護師が自ら管理者となって開設することができるので、「いずれ独立して理想の看護を実践したい」といった、起業マインドのある看護師さんも向いているでしょう。
訪問看護師に向いてない人 5つの特徴
1医療処置が好き、業務をさばきたい
「医療処置を行うのが好き」「てきぱきと業務をこなすことに達成感を得る」「急性期医療の最前線にいたい」という方は、訪問看護にはあまり向かないかもしれません。
医療依存度の高い利用者さんへの医療処置もありますが、状態の落ち着いた方が多い在宅では、療養の世話のほうが比重が高めです。
ケアのペースも利用者さん次第。
手際の良さは必要ですが、たくさんのタスクや処置をどんどん片付けていきたいタイプの方は物足りなさを感じそうです。
先輩からヒトコト
ターミナルの利用者さんの場合、少しずつ死に向かっていく時間をサポートすることになります。
「治療して退院する」「リハビリでADLが改善する」などの目標を達成する充実感とは異なる領域であることも踏まえて、自身の適性を考えてみるのが良いでしょう。
2自分の看護へのこだわりが強い
「病院では、こうしていたから」「この疾患の看護はこれが正しいはず」というこだわりが強すぎると、訪問看護で壁にぶつかりやすいでしょう。
在宅では、利用者さんの価値観や意思、生活に寄り添う柔軟さが特に求められます。
「この利用者さんには、こんなやり方もあり」のように、医療的な正解にこだわりすぎない考え方に切り替えられる方が向いているでしょう。
先輩からヒトコト
自分のやり方にこだわる性格は、時に「協調性がない」という評価にもつながってしまいます。
多施設多職種とかかわる訪問看護師は、協調性にすぐれた人のほうが向いています。
3人の家に入ることに抵抗がある
「どうしても他人の家に入るのに抵抗がある」という場合、訪問看護師はちょっと難しい面があるでしょう。
極端に潔癖な性格だったり、動物のアレルギーがあったりすると、残念ながら訪問できる場が限られてしまいます。
もしも次第に慣れていくことができそうであれば、志望先のステーションに相談してみても良いでしょう。
4「年収を下げない」が絶対条件
「夜勤をバリバリこなしてでも、しっかり稼ぎたい」「絶対に今の年収から下がりたくない」といった給与面が第一条件という方は、訪問看護師は選択肢に入りにくいかもしれません。
訪問看護ステーションによっては収入アップの可能性もありますが、訪問看護師の平均年収は430万円ほどで、病棟の看護師よりも40万~50万円ほど低いのが相場となっています。
年収が低くなるのは、夜勤手当で稼いでいた月3万~5万円分がなくなるためです。
しかし「つらい夜勤がなくなって、この額なら納得」「日勤でも、それなりの収入を確保したい」という方には、訪問看護師の給与水準は魅力的と言えるでしょう。
先輩からヒトコト
20代前半の看護師さんの場合、病棟勤務でもまだ給与額が高くないので「訪問看護に転職したほうが年収が上がった」というケースもあり得ます。
5オン/オフははっきり分けたい
訪問看護師はオンコールや緊急訪問の対応があるので、「仕事のオンとオフは、はっきり分けたい」と希望する看護師さんには、少し厳しいかもしれません。
責任感が強かったり心配性な性格だったりすると、終業後や休日に電話がかかってくる・待機することに過度なストレスを感じてしまう人もいます。
次第に慣れて緊張も和らぐものですが、初めのうちはつらいですね。
先輩からヒトコト
オンコールを担当する頻度や、どのくらい電話がかかってくるか・緊急訪問があるかは訪問看護ステーションによって差があるので、志望先の状況を確認してみると良いでしょう。
訪問看護師に必要な資格・スキル・知識・経験は?
訪問看護師になるために、特別に必要とされる資格やスキル、知識、経験はありません。
若手を育てるステーションが増えている
以前は訪問看護師について「訪問先で一人で判断しなければいけないので、最低でも3年以上の臨床経験・病棟経験が必要」とも言われていましたが、近頃は新卒で訪問看護師になる人も増えています。
その背景として、新卒や若手を育てようと教育体制を整えているステーションが増えてきたことが挙げられます。
ほとんどの看護師が「在宅未経験」
訪問看護師の数がまだまだ少ない現状では、ほとんどの看護師が「在宅は未経験」の状態で、訪問看護の世界に飛び込んでいます。
「前職は精神科に勤務していた」「小児病棟で長く働いた」など、自分の経験やスキルが生かせる利用者さんの多いステーションを選ぶこともできます。
訪問看護の利用者さんは年齢も疾患・状態もさまざまですが、未経験のことに直面した際、積極的に学ぶ姿勢があれば大丈夫です。
地方なら運転免許は必須
地方の場合、訪問先への移動は車になるので、運転免許だけは必須の資格と言えます。
訪問看護師をもっと知りたい!
仕事内容やお給料など、訪問看護師にまつわる気になる疑問をまるっと解説しています。