派遣看護師になるメリットとデメリットは?具体的に正職員/正社員(常勤)と何が違うの?

この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。

目次

派遣看護師のメリット

派遣看護師のデメリット

デメリットではないが要注意なもの

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派遣看護師のメリット

派遣のメリット

  • 給料や仕事内容が正職員/正社員とさほど変わらない
  • 自分の希望する期間で働ける
  • 面倒な職場の人間関係に巻き込まれにくい
  • 委員会・勉強会は免除される傾向に
  • サービス残業がない

1お給料は時給制だが正職員/正社員ナース並み

派遣のお給料は時給制。同じく時給制のアルバイトやパートと比較すると、月収は高めになります

2021年4月からは「同一労働同一賃金」のルールが適用されているため、業務内容が同じ場合、原則正職員と同じ金額の賃金・ボーナスが支払われることになっています。

また、お給料の水準が低い地方エリアやお給料の低い医療機関でも、派遣なら比較的高給与で働ける可能性があります。

2仕事内容は、派遣看護師も正職員/正社員ナースも変わらない

派遣であっても、医療機関側から他のナースと同じ仕事を任される場合が大半です。採血や入浴介助など、特定の業務ができないといった制限はありません

2014年12月に発表された特定行為(看護師に許可された一部の医療行為)も、もちろん行うことができます。

3自分の希望する期間で働ける

働きたい期間に働きたいだけ働けるのが派遣最大のメリット。

家事・育児といったプライベートの都合や専門学校に通いながら夏休み期間だけ働きたい、という人にとって、都合に合わせて働ける派遣看護師は、とても支持されています。

4職場の人間関係に巻き込まれにくい

派遣看護師は医療機関の職員ではなく、派遣会社の従業員です。そのため多くの職場では、外部の人間として、丁重に扱われることが多いでしょう。

わかりやすく言うと、全員が師長から呼び捨てで呼ばれるような職場でも、派遣の人だけは「○○さん」と呼ばれるといった具合です。

そのため、職場の人間関係と適度な距離を置いた働き方ができたり、陰湿なイジメに巻き込まれにくいメリットがあります。

もちろん、派遣だからといって、仲良しの人ができないわけではありません。あくまで人間関係が悪い方に転びにくいという点が、派遣で働くメリットの1つです。

5責任が重い仕事や委員会・勉強会は免除

仕事の専門性は正職員/正社員ナースと変わらないものの、難しい患者さんや重たい責任を伴う仕事は、優先的に正職員/正社員ナースに割り振られることが多いでしょう。

加えて、係や委員会、勉強会は、派遣に参加させると医療機関が残業代を支払わねばならなくなるといった事情もあり、大抵の場合、免除されることが多いでしょう。

6サービス残業がない

サービス残業をしなくて済む、というのは派遣で働く大きなメリット。

直接雇用と違って職場と個人の間に派遣会社が入るため、残業代や深夜手当は原則全額支給されます

具体的な金額は、1日の労働時間が8時間を超えると一時間あたり時給の25%以上の残業手当(割増賃金)。さらに22時~朝5時の労働は深夜手当(割増賃金)の支給対象となり、時給の50%以上の手当が別途支給されます。

派遣ナースが正職員/正社員の人よりも早めに帰れてしまうのは、派遣先が残業代を支払いたくないため、派遣ナースには残業を頼まないから、という事情もあるようです。

7院内での立場は派遣看護師の方が“守られている”

派遣看護師は、派遣会社によって守られているため、正職員/正社員あるいはパートなどと比べて、職場のトラブルに巻き込まれにくいと言われています。

これは、派遣会社が派遣先とあらかじめ業務や勤務条件の範囲を契約で結んでいるため。

サービス残業や規定外の業務をさせられそうになった場合は、派遣会社から派遣先に注意してくれるのです。

派遣スタッフは、派遣会社にとって大切な財産とも言える存在。人間関係のトラブル等に巻き込まれたときも、派遣会社は派遣先との間に立って問題を解決してくれます

派遣看護師のデメリット

派遣のデメリット

  • ずっと同じ職場で働き続けられない
  • 入職時教育がほぼ無い
  • 寮有りの求人が少ない
  • ローンの審査に通りにくくなる
  • 年齢・キャリアを積んでも給与額は比例して上がらない

1派遣だとずっと同じ職場で働き続けることができない

派遣で働く場合、一箇所の職場で働き続けることができるのは、どんなに長くても3年まで

多くの場合、長くても1年~1年半程度でその職場とお別れしなくてはなりません

派遣期間終了後は、希望すれば派遣会社が紹介してくれる別の職場でまた働くことになるため、通常の転職よりは手間が掛からないものの、ずっと同じ職場で働いていたい、という人にはあまり向きません

派遣先によっては、長期派遣からそのまま正職員/正社員にシフトできる場合もあります。ただしその場合、派遣は時給が高いため、直接雇用と引き替えに月給が下がってしまう可能性も。

労働条件については事前によく確認しましょう

2派遣看護師は入職時教育が省略される場合がある

派遣看護師として働く場合、「プロとしてのスキルがある助っ人」という前提で迎え入れられるため、一般的な入職時研修がなく、いきなり「○○さん、あの仕事をお願いします」と働き始める場合も。

もちろんわからないことやその医療機関特有のルールは、周囲の人に聞けば教えてくれますが、スキルに自信が無い人は少し不安が残るかもしれません

3派遣看護師には寮有りの求人が少ない

看護師寮は、医療機関が自分のところの職員のために用意している施設。派遣の看護師には、原則使用が認められません

中には派遣向けの看護師寮を用意しているところもありますが、その数はかなり少ないでしょう。

派遣で働く場合、寮に入ることは難しいと考えておきましょう。

4派遣だと住宅ローン等の審査に通りにくくなる場合がある

住宅ローンなどでは「年収の○倍までしかお金を貸しません」といったルールが定められています。

このとき、金融機関によっては、派遣の年収を正職員と同等に扱わない(正職員の1/2で計算する、またはゼロとみなす、など)場合があり、審査時に不利になる場合があります。

住宅ローンなど消費者金融でローンを組む予定がある人は、あらかじめ金融機関のホームページや相談会などをチェックしておくとよいでしょう。

5年齢と給与額が比例しない(ベテラン世代になっても給与はあまり上がらない)

看護師派遣の給与は、年齢・経験に関係なくほぼ一定

そのため20~30代には高めのお給料を受け取れるメリットがありますが、ベテラン世代ともなると、同年代の正職員/正社員と比較して、物足りないと感じることがあるかもしれません

もちろんパートやアルバイトで働くよりは多くの金額を得られますから、ご家庭やプライベートの事情に基づいて派遣を選択すると良いでしょう。

デメリットではないが要注意なもの

出産・結婚時のタイミングは要検討

出産時の出産費用を補填する出産育児一時金(合計50万円・2023年4月現在)は、派遣であってももらうことができます

また、社会保険に加入していれば、出産手当金と言って給与の5~6割が毎月支給されます。

産休(産前産後休暇。出産予定の6週間前から出産後8週間までの期間)も、当然、労働者の権利として認められており、育休(出産後9週間~)についても、申し出の時点で下記の要件を満たしていれば取得可能です(2022年4月現在)。

子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

※ご注意:1歳以降の育児休業の取得について
子が1歳に達する時点で、保育所に入所できない等の特別な事情がある場合は、上記の要件を満たす方は子が1歳6か月に達する日まで育児休業の期間を延長できます。

さらに、子が1歳6か月に達する時点で、保育所に入所できない等の特別な事情がある場合は、子が2歳に達する日まで育児休業を延長することができます。その場合は、申出時点において、子が2歳に達する日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないことが必要です。

お子さんを産むことを視野に入れた転職時には、派遣で良いか、正職員/正社員で働くか、よく考えてみることが重要です。

派遣は不安定?看護師の場合そうでもない

派遣という働き方には「景気に左右されがちで不安定」という印象があるかもしれません。

ですが、ご存知の通り、あなたの働くこの医療業界は、景気に左右される場所ではありません。看護師は慢性的に不足している状態が続いているため、多くの医療機関が、派遣看護師を迎え入れ、そしてその契約を延長し続けているのが現状です。

医療・介護業界では、現在も数多くの看護師が派遣として安定的に就業を続けています

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