ナースコールが鳴りやまなくてパニック|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(14)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「ナースコールが鳴りやまなくてパニック」というお悩みに答えます。

 

ナースコールが頻繁になっていてパニックを起こしている看護師たちのイラストナースコールを取る時のポジティブな考え方を先輩看護師が後輩看護師に共有している様子のイラスト

 

実例別の対処法で学んでみよう

ナースコールが鳴りやまないと、ちょっとしたパニックになってしまいますよね。

 

対処法は状況によって変わるので、参考として私が今まで経験した患者さんの訴えを紹介します。

 

①「え、何?」

手が当たったとかで間違えてボタンを押しちゃったパターン。

 

この場合は、ナースコールを「手は届くけど間違えて押さない位置」に移動しました。

 

布団にまぎれたナースコールをテーブルの上に戻すなどの工夫が必要です。

 

②「寂しい」

小児科で小さい子に言われることがあります。

 

「そうだよね~寂しいよね~!」とほっこり。「15分後にまた来ますね」と具体的な時間を伝えると、安心したようでした。

 

また、夜ならば睡眠がとれるように、昼ならば活動量を増やしてストレスが軽減するように介入しました

 

③「リモコンとって」

自宅で家族に言われたら「自分でとりなさーい!」と言いたくなりますが、病院では無理に手を伸ばしてとろうとしてベッドから落ちる……なんてこともあります。

 

そのときは、よくテレビを見る患者さんだったので、環境整備を行った際にナースコールとともにリモコンの位置を手の届く位置にしました

 

そのほかに、ティッシュやメガネなども先回りして並べておきました。

 

④「今テレビでかげさんが好きなドラマやってるよ」

私たちにとって病室は職場ですが、患者さんにとっては治療の場とともに生活の場でもあります。

 

何気ない会話を覚えてくれているのはありがたいので「ありがとうございます!今はやることがあるのであとで感想を教えてください」などのように、お礼とこちらの事情を伝えました

 

⑤「電話のかけ方を教えてほしい」

患者さんの家族が連絡手段としてスマートフォンを持たせていくものの、本人は普段使っていないからわからないパターン。

 

入院前に使い方をマスターしてくれるとありがたいですが、急な入院の際にはこういったことがよく起こります。

 

私の場合は、説明しながら紙に手順を書き出して床頭台(しょうとうだい)に置いたりしました

 


ナースコールは患者さんにとって、入院というイレギュラーな状況下での大切な安心要素。

 

その安心感は保ったままで、自分が働きやすくなる工夫を考えてみましょう。

 

 

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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