忙しすぎて理想の看護ができない|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(15)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「忙しすぎて理想の看護ができない」というお悩みに答えます。

 

後輩看護師が忙しそうに勤務している様子のイラスト業務などさまざまなことに忙殺され、患者さんに寄り添った看護ができていないことにモヤモヤしている後輩看護師の様子のイラスト

 

労働環境の厳しさは組織の問題

理想の看護師像を持って看護師になった人は、忙しすぎて患者さんに寄り添えていない自分の姿にショックを受けることもあるかもしれません。


私の場合は、理想の看護師像も自分に対しての期待も特になく看護師になったので、「苦手なわりによくやっているな~自分」と思っていたくらいなのですが、この問題に悩む人の気持ちも理解できます。

 

看護師として働いていると、労働環境の厳しさを嘆きたくなるときはどうしてもあります。

 

特に人員配置については、個人にどうにかできることではない組織の問題

 

病院の上の人たちが現場の厳しさを理解しているか、現場から問いかける姿勢は常に持っていていいと思います。

 

病院側は「人員が少なくても事故が起きなければいい」という考え方ではなく、普段から余裕のある人員配置をしておくべきなのです。


この問題があまりにも深刻な環境にいる場合は、最悪、異動や転職などで環境を変えることを視野に入れてもいいかもしれません。

 

 

看護師個人ができることは何か

とはいえ、今の環境でしばらくはがんばりたい、という場合。

 

現場から人員配置の改善希望を上に伝えることはできても、すぐに人員が増えることは現実的にはそうそうありません。

 

そんな中で、現場で働く私たちが「余裕」を生むためにはどうしたらいいのか。


新人看護師の余裕を奪っているのは主に「慣れていないこと」と「知らないこと」です。

 

慣れていないことは経験を積まないかぎり慣れていかないので、ひたすら場数を踏んでいくしかありません。

 

では「知らないこと」はどうでしょうか。実は、学生時代嫌々やっていた勉強は「知らないこと」を減らす最強の武器です

 

勉強をするのもラクではありませんが、余裕がないまま働いて落ち込みつづけるよりは、ずっとコストパフォーマンスがいい気がしませんか?

 

たとえば、勉強をして知識を身につけると、治療内容を聞いただけで使う薬剤や点滴の時間などの予測ができるようになり、自然と作業スピードが上がっていきます。

 

「余裕のある人員配置を」と訴えるのと同時に、看護師一人一人が自分自身の余裕を生むために知識や経験を増やす

 

それを続けていくことで、理想としていた自分の姿にも近づき、ひいては患者さんにとって質の高いケアを提供することにもつながると私は思います。

 

 

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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