辞めたいけど踏ん切りがつかない|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(16)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「辞めたいけど踏ん切りがつかない」というお悩みに答えます。

 

3年目になった後輩看護師が、職場を辞めたいが踏ん切りがつかない気持ちを吐露しているイラストモヤモヤと悩み続ける後輩看護師の近くで、開き直って働いている先輩看護師のイラスト

 

人間関係を辞める理由にしないほうがいい

もっとスキルアップしたいとか、ほかにやりたいことが見つかったという明確な目的がないのであれば、辞めるという選択についてもう少し考えてみたほうがよいかもしれません。

 

よく聞く悩みとして「人間関係が悪いので辞めたい」というものが挙げられます。

 

しかし、この人間関係の悩みを辞める理由にするのは避けたほうがいいと思っています。

 

なぜかというと、看護師という仕事は入れ替わりが激しいため、人間関係は時間経過で変わってしまうものだからです。

 

言い方をかえると「人間関係がいいから」というのも続ける理由にならないといえます。

 

人間関係を除いて仕事を判断するのは難しいかもしれませんが、そのくらい流動的に変化するものなので、仕事そのものが自分に合っているのか、自分は何をつらいと思っているのかを考えてみましょう。

 

自分の優先したいものを明確にする

周りにいる人が転職してしまうと「私も転職したほうがいいのかな」と悩む人は少なくありません。

 

しかし、そういう人に「転職して何がしたいの?」と聞いてみても、なかなか答えが出ないことが多く、自分の中でも明確になっていないことがほとんどです。

 

どんな人にとっても「すべてが自分に都合のいい職場」というのはなかなか見つからないものです。

 

そんなとき、明確な指針を持って転職をしているかどうかが重要になります。

 

指針を持っていない人は、新しい職場で嫌なところが見つかると「なんとなく前の職場のほうがよかった気がする」と感じ始めます。

 

実際私の同僚で、なんとなく転職して後悔している人もいました。


一方、指針を持っていると「ここは少し嫌だけど、前の職場よりこの点がすぐれているからOK」と冷静に状況を判断できるようになります。

 

明確な指針がまだ定まっておらず、ぼんやりと「辞めたい」と思っているくらいであれば、まだ続けてみてもいいと私は思います。

 

続けているうちに新たな気づきを得られたり、転職への心の準備がきちんと整えられたりするかもしれません。

 

大切なのは、他人の行動に自分の思考を引っ張られないこと。

 

心と体がきちんと整っていれば、続けるかどうかは自然と答えが出せるはずです。

 

 

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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