リウマチケア看護師とは?資格取得の方法やメリットについて解説

看護師が取りたい資格図鑑の「リウマチケア看護師」の資格の記事のMV

リウマチに関しての専門知識を有する看護師であることを証明できる資格として、「リウマチケア看護師」があります。

 

この記事では、リウマチケア看護師の役割や資格取得の方法取得することのメリットについて紹介します。

 

 

 

リウマチケア看護師の役割とは

リウマチケア看護師とは、リウマチ性の患者さんに対して、質の高い看護を提供するための資格です。日本リウマチ財団によって2010年に創設されました。

 

関節リウマチシェーグレン症候群全身性エリテマトーデスなど、完治が難しいリウマチ性疾患は、治療が長期にわたることから、患者さん自身も病気や治療について理解し、自己管理能力を高めてもらうことが重要になります。

 

そのため、リウマチケア看護師には、疾患や治療法に関する知識・スキルだけでなく、患者さんのセルフケア支援地域の制度・サービスを使った生活支援長期の治療に伴う心理的サポートなども含む、患者さん一人ひとりの個別性を大切にしたケアの実践が求められます。

 

 

リウマチケア看護師になるには

リウマチケア看護師になるには資格を取得する必要がありますが、資格取得において試験はありません。実務経験など必要な条件を満たした上で「申請」を行うことで取得できます。

 

 

リウマチケア看護師の申請条件は?

リウマチケア看護師の資格を取得するには、看護師としての実務経験(3年以上)に加え、下記の条件を満たさなければなりません。

 

リウマチケア看護師の申請条件

  1. 1リウマチ性疾患ケアの実務経験が通算1年以上
  2. 2「リウマチ性疾患ケア指導患者名簿」10例
      (うち3例以上は関節性リウマチ)
  3. 3のうち5例の「リウマチ性疾患ケア指導記録」
      (うち3例以上は関節性リウマチ)
  4. 4指定の研修会の受講(20単位)

 

なお、リウマチケアの研修会は1講座1~2単位のところが多いため、20単位以上を取得するには多くの研修会を受講する必要があります

 

そのため、早い段階から計画的に受講を進めていくのがおすすめです。

 

研修会の詳細や申請時に必要な書類については、日本リウマチ財団の公式サイトを確認しておきましょう。

 

 

 

リウマチケア看護師の研修会ってどんな内容?

日本リウマチ財団が主催する研修会で学習する内容は大きく分けて以下の3つです。

 

  • 専門職業人としての倫理観・責任感
  • リウマチケア実践に必要な知識・技術
  • 多職種連携やチームケアの力を高める能力

出典:日本リウマチ財団「日本リウマチ財団リウマチケア看護師研修カリキュラム

 

疾患や治療法といったリウマチケアに関する知識・技術だけでなく、専門職としての倫理・責任感やチーム力を高めるスキルなど、リウマチケア看護師にはリウマチ性疾患について多角的な視点からの学びが求められています。

 

 

リウマチケア看護師の申請期間や費用は?

新規と更新の申請期間は、毎年8月1日から10月31日の期間です。新規申請時の審査料は10,000円です。

 

審査に合格した場合は登録料として5,000円かかります。

 

また、リウマチケア看護師の資格は5年ごとの更新制です。更新の申請時には、書類の提出と10,000円の納付が必要です。

 

 

リウマチケア看護師資格を取得するメリット

ここでは、リウマチケア看護師の資格を取得するメリットについて紹介します。

 

リウマチケア看護師を取得するメリットを解説した図版。1)「特典」の利用でリウマチケアの専門性を高め続けられる、2)転職に有利になる

 

1「特典」の利用でリウマチケアの専門性を高め続けられる

リウマチケア看護師として登録することで、日本リウマチ財団が主催する研修会の受講料割引が適用されるほか、リウマチケアに関する最新の知見やエビデンスの知識を得やすくなります。

 

常に最新の知識をアップデートでき、専門性を磨けるでしょう。 

 

リウマチケアの専門性を磨くことで「リウマチケアのエキスパート」として情報発信もでき、自身のスキルアップによって患者さんに役に立てる実感を得られるのは大きなメリットです。

 

 

2転職に有利になる

リウマチケア看護師の資格を取得することで、専門知識や豊富な経験を持っている証明として自分をアピールするための強みとなるため、転職時にも有利になるでしょう。

 

リウマチケア看護師は、希望することで日本リウマチ財団の公式サイトに名前も記載できるため、専門性をアピールすることができます。

 

 

リウマチケア看護師の申請のポイント

リウマチケア看護師の資格取得時に試験はありませんが、実務経験が詳細に審査されます

 

「準備が不十分で申請できなかった」といったことがないように、リウマチケア看護師の申請のポイントを2つ紹介します。

 

 

書類作成には余裕を持って取り組む

申請する際には、試験がない代わりに提出書類を厳密に見られるため、書類のまとめ方は重要です。

 

通常の看護業務の合間に書類を作成するため、大変さを感じるかもしれません。名簿の作成や指導記録の作成には時間もかかるので、余裕を持って資料作成に取り組みましょう

 

 

産休・育休の期間は申請対象とならない

産休・育休中は、実務経験の期間として認められないため注意しましょう。

 

例えば「看護師の仕事に4年就いているから大丈夫だ」と思っていても、その期間に育児休暇で1年休んでいたら認められないといったことも考えられます。

 

実務経験の証明に不備があると審査に合格しないため、きちんと確認しておきましょう。

 

産休・育休をもらって子育てしている看護師のイラスト

 

まとめ

リウマチケア看護師は、リウマチ性疾患の患者さんに質の高いケアを提供するための知識や経験を備えたエキスパートです。資格取得に試験は必要なく、実務経験と研修を受講することで取得が可能です。

 

資格を取得すると、リウマチ性疾患に対する専門的な知識やスキルを持っていると証明できるため、転職時に有利になることも期待できます。スキルアップを図りたいという看護師さんは挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

執筆:看護roo!編集部

 

 

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