メンタルケア心理士とは?難易度や看護師が取るメリットなどを解説

看護師が取りたい資格図鑑『メンタルケア心理士』の記事のMV

メンタルケア心理士は、仕事をしながらでも心理カウンセリングの知識を学べる資格として人気です。

 

この記事ではメンタルケア心理士で学べることどんな人におすすめか資格の取得方法難易度や看護師にどう役立つかなどを解説します。

 

 

 

メンタルケア心理士とは

メンタルケア心理士は、心理学やカウンセリングの基本的な技法などを学べる資格です。NPO法人「医療福祉情報実務能力協会」が運営している民間資格です。

 

受検には実務経験が不要で、受検資格に必要な講座の受講もオンラインとなっており、誰でも簡単に学ぶことができます

 

そのため、働きながらでも取得しやすく、心理カウンセリングの入門的な資格として看護師だけでなく、一般の人からも人気の資格です。

 

患者さんの悩みを聞いてあげているメンタルケア心理士のイラスト

 

メンタルケア心理士の仕事内容

メンタルケア心理士は、医療・福祉・教育・産業・公共サービス等、幅広い場所で活躍しています。

 

具体的には、うつ症状や不眠などメンタルヘルスに不安のある方の相談援助心理カウンセリングを行っています。

 

医療現場では患者さんや職場の同僚の悩み相談に対応したり、患者さんとのコミュニケーションに生かしたりするのを目的に、資格を取得する人が多いようです。

 

 

メンタルケア心理士で学べること

メンタルケア心理士の資格取得を通じて、心理カウンセリングに関する基礎知識を学ぶことができます。

 

学習領域は、以下のようになっています。

 

メンタルケア心理士(こころ検定2級)のカリキュラムを表した図版

出典:医療福祉情報実務能力協会「メンタルケア心理士 認定試験

 

 

医療関係者でなくても挑戦できる資格ですが、上記のとおり、医学的な視点からもしっかりと学習できます。

 

多角的な視点から学べるため、心理学の基本を身につけたり、精神科領域の知識の振り返りをしたい人にピッタリです。

 

 

メンタルケア心理士はどんな人におすすめ?

メンタルケア心理士に向いているのは、以下のような方です。

 

 

メンタルヘルス領域の入門的知識を身につけたい人

メンタルケア心理士は、心理学の専門家になれる資格というよりは、これまで心理学についてあまり詳しくなかった人が、初めて心理学を学習する際にちょうどよい資格です。

 

「心理学に興味があるけれど、どうやって勉強したら良いかわからない」
「身体疾患に伴って抑うつ傾向の患者さんが多く、患者さんの心理を理解した看護がしたい」

 

といった、メンタルヘルス領域の入門的知識を身に着けたいと考える人にピッタリです。

 

 

働きながらスキルアップを目指したい人

メンタルケア心理士以外の心理系資格として有名なものに、公認心理師や臨床心理士があります。

 

この2つは専門性の高い資格ですが、受験資格を得るために大学や大学院に通わなければならないなど、働きながら取得するにはハードルが高くなっています

 

一方、メンタルケア心理士は、受験資格を得るための実務経験が不要で、また必要な講義は全てオンラインで受講できるので通学の手間も不要です。

 

そのため、時間のない人でも自分のペースで学びを深めていくことが可能です。

 

働きながらメンタルヘルス領域のスキルアップを目指したいと考える人には、おすすめの資格です。

 

 

メンタルケア心理士になるには

ここからは、メンタルケア心理士になるまでの流れや、試験(こころ検定2級)の内容、資格取得にかかる費用について紹介します。

 

メンタルケア心理士の資格取得までの流れは以下のようになっています。

 

メンタルケア心理士の資格取得までの流れ

 

  1. 1一定の受検資格を満たす
  2. 2こころ検定2級に合格
  3. 3資格登録

出典:医療福祉情報実務能力協会「メンタルケア心理士® 認定試験

 

 

メンタルケア心理士は、一定の受検資格を満たした上で「こころ検定」という検定試験の2級に合格することで資格登録が行えます。

 

 

メンタルケア心理士の受検資格は?

メンタルケア心理士になるためには、指定の通信講座を受講する必要があります。実務経験などは不要で、誰でも受講できます

 

なお、認定心理士や産業カウンセラーの資格を持っている人、4年制大学で心理学部・学科を卒業した方などは、受講は不要です。

 

 

メンタルケア心理士の試験「こころ検定2級」の内容

メンタルケア心理士の資格試験である「こころ検定2級」の内容は以下のとおりです。

 

「こころ検定2級」の内容

 

  • 試験方式:CBT方式(テストセンターのPCで受検)
  • 開催時期:年3回、それぞれ1ヵ月間開催
  • 問題形式:四者択一
  • 問題数:40問
  • 試験時間:90分

出典:日本こころ財団「こころ検定 各級について

 

 

試験方式の「CBT方式」とは、所定のテストセンターに行き、設置してあるPCを使って試験を受ける方式のことです。

 

年に3回、1ヵ月間開催され、開催中はいつでも試験会場を訪れて受検ができるため、業務が忙しい方も時間調整がしやすい受検方式となっています。

 

なお、試験範囲は、メンタルケア心理士の「学習領域」と同様になっています。

 

 

メンタルケア心理士取得にかかる費用

メンタルケア心理士の取得にかかる費用は以下の通りです。

 

メンタルケア心理士の取得にかかる費用

費用項目 金額
メンタルケア心理士講座 受講費用 5万~15万円
(教育機関による)
こころ検定2級受検料 7,700円
資格登録料 5,600円

 

 

メンタルケア心理士の難易度は?

メンタルケア心理士の認定試験である「こころ検定」2級の合格率は公開されていませんが、こころ検定の公式サイトのコラムによれば、合格率は50~60%とのことです。

 

メンタルケア心理士講座を受ける場合は、講座内容がそのまま試験対策になります。また、有料ですが公式の対策問題集も出ており、学習はしやすいでしょう。

 

学習領域には、精神解剖生理学など、医学に関わる内容も多く、看護師であれば一般の人よりは難易度は低めであると考えられます。

 

 

メンタルケア心理士は意味ない?看護師が取るメリット

メンタルケア心理士は国家資格ではないため、取得しても意味ない? という声も聞かれます。実際のところはどうなのでしょうか?

 

ここでは、看護師がメンタルケア心理士を取得するメリットなどについて紹介します。

 

メンタルケア心理士の看護師が取るメリットを表した図版。働きながらスキルアップできるが、給料やキャリアアップにはつながりにくい

 

働きながらでもスキルアップができる

メンタルケア心理士は、働きながらでも気軽に挑戦できる点が最大のメリットです。

 

忙しい中でもメンタルケアに関する知識をつけて、患者さんの不安な気持ちを汲み取ったり、精神疾患の基礎知識をコミュニケーションに生かしたりして、スキルアップを目指したいという看護師さんにピッタリの資格といえます。

 

さらに、メンタルケア心理士の上級資格として、「メンタルケア心理専門士」があり、さらなるステップアップを狙ってみるのもよいでしょう。

 

 

給料やキャリアアップにはつながりにくい

メンタルケア心理士は国家資格ではなく、心理カウンセラーの入門的な資格です。

 

そのため、資格の取得そのものが、直接の給料アップやキャリアアップにはつながりにくい点があります。

 

既にメンタルケア心理士を取得した人も、この資格だけで心理カウンセラーとして働いているというよりは、自らの心理学知識の底上げやスキルアップのために資格の勉強をしているという人が多いようです。

 

もし本格的に心理学やカウンセリング技術を学び、心理カウンセラーのキャリア形成などを考えたいのであれば、思い切って公認心理師や臨床心理士の資格取得に挑戦するのもおすすめです。

 

 

 

まとめ

心理学や心理カウンセラーとしての入門的知識を得られるメンタルケア心理士。

 

今の仕事をつづけながら気軽にメンタルヘルス領域のスキルアップをしたい方におすすめの資格です。

 

資格取得をきっかけに心理学についての学びを深め、将来的に公認心理師や臨床心理士を目指すのもよいですね。

 

執筆:看護roo!編集部 鈴木 涼太

 

 

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