【点滴ルート内の空気の抜き方】患者さんへの対応・身体への影響も解説!|まるっと解消!点滴管理の困りごと

点滴管理をしているときの困りごと「点滴ルート内に空気が入ったときの対処法」を解説!

 

執筆・イラスト・監修:はや(看護師)

 

<目次>

 

 

点滴ルート内の空気を抜く方法3つ

慌てている表情の看護師のイラスト

点滴ルートに空気が入っちゃった…!どうしたらいいの?患者さんへの影響はある?

笑顔の看護師のイラスト

点滴ルートに入った空気は、少量であれば人体に影響はないと言われているから、慌てなくても大丈夫!まずは空気の抜き方、患者さんへの声かけを紹介するよ!

①指ではじいて空気を滴下筒に送る方法 ルート上部に少量の空気がある場合は、最も簡単に空気が抜ける①の方法がオススメ。    片方の手でルートが真っすぐになるようしっかり固定し、もう片方の指ではじくと、空気が滴下筒に移動します。    このとき、ルートを引っ張りすぎて引き抜かないように注意しましょう。    ②指に輸液ルートを巻いて空気を上に押し出す方法 ルートの中部あたりに空気があり、①の方法で抜きにくい場合は、この方法を試してみましょう。    指にルートを刺入部側から点滴側に巻いて空気を圧排することで、空気をルート上部に移動させながら、滴下筒のほうに押し出すことができます。  強く引っ張ったり、ボールペンなどで強く巻くと変形や破損につながるおそれがあるので、注意しましょう。    ある程度空気がルート上部に移動したら、①の方法に切り替えるのも◎です。    ③三方活栓からシリンジで吸引する方法 刺入部付近に空気がある場合は①や②の方法で空気を抜くことは難しいです。そのため、三方活栓にシリンジを接続し、空気を吸引しましょう。    ただ、三方活栓にシリンジをつけ外しすることで感染の原因になる可能性があります。ごく少量であれば空気を無理に抜かず、患者さんの不安が強い場合に実施してください。

 

①指ではじいて空気を滴下筒に送る方法

ルート上部に少量の空気がある場合は、最も簡単に空気が抜ける①の方法がオススメ。

 

片方の手でルートが真っすぐになるようしっかり固定し、もう片方の指ではじくと、空気が滴下筒に移動します。

 

このとき、ルートを引っ張りすぎて引き抜かないように注意しましょう。

 

②指に輸液ルートを巻いて空気を上に押し出す方法

ルートの中部あたりに空気があり、①の方法で抜きにくい場合は、この方法を試してみましょう。

 

指にルートを刺入部側から点滴側に巻いて空気を圧排することで、空気をルート上部に移動させながら、滴下筒のほうに押し出すことができます。

強く引っ張ったり、ボールペンなどで強く巻くと変形や破損につながるおそれがあるので、注意しましょう。

 

ある程度空気がルート上部に移動したら、①の方法に切り替えるのも◎です。

 

③三方活栓からシリンジで吸引する方法

刺入部付近に空気がある場合は①や②の方法で空気を抜くことは難しいです。そのため、三方活栓にシリンジを接続し、空気を吸引しましょう。

 

ただ、三方活栓にシリンジをつけ外しすることで感染の原因になる可能性があります。ごく少量であれば空気を無理に抜かず、患者さんの不安が強い場合に実施してください。
 

 

これら3つの方法は、輸液ポンプの場合も同じように空気を抜くことができます。

 

どんなときに点滴ルートに空気が入る?

 ● 輸液バッグを交換をするとき

 ● プライミングの際に、急速にルートを薬液で満たしたとき

 ● 輸液の温度が変化するとき(冷所→室温になるとき)

 ● 薬剤の混注の際に、輸液を振って泡立てたりするとき

…など。

空気が入らないように、輸液の取り扱いにも注意しましょう。

 

患者さんから「点滴に空気が入ってるけど大丈夫?」と聞かれたら

患者さんの中には、自分から「点滴に空気が入っているのは大丈夫なの?」と聞かれる方もいます。  少量の空気でも不安を感じる方もいるため、気持ちを受容しつつ、理由を踏まえて丁寧に説明することが大切です。

患者さんの中には、自分から「点滴に空気が入っているのは大丈夫なの?」と聞かれる方もいます。

少量の空気でも不安を感じる方もいるため、気持ちを受容しつつ、理由を踏まえて丁寧に説明することが大切です。
 

 

10mLまでなら点滴ルートから空気が身体に入っても大丈夫って本当?

血管に少量の空気が入っても、血液中に溶けたり、肺毛細血管から肺に吸収されるため、基本的には人体への影響はないとされています。  しかし、もしルートの欠陥などで多量の空気が入ってしまった場合は、肺の血管で空気塞栓(肺塞栓)を起こす可能性があります。    肺塞栓の症状(例)  ● 胸痛  ● チアノーゼ   ● 血圧低下  ● 頻脈  …など    一般的に、10mL以上の空気が入ると、空気塞栓の可能性があるといわれています。10mLの空気は点滴ルート約2m分に相当するため、普段使用している1m程度のルートであれば、仮に1本分の空気が入っても大きな影響はないといえるでしょう。    だた、心臓に右左シャント(右心房と左心房の交通)がある場合は、空気が動脈を通って脳に空気塞栓が起き脳梗塞を起こす可能性があるので、少量の気泡であっても注意が必要です。  判断に迷うときは、先輩に相談して一緒に判断してもらうことが大切です。

血管に少量の空気が入っても、血液中に溶けたり、肺毛細血管から肺に吸収されるため、基本的には人体への影響はないとされています。

しかし、もしルートの欠陥などで多量の空気が入ってしまった場合は、肺の血管で空気塞栓(肺塞栓)を起こす可能性があります。

 

肺塞栓の症状(例)

 ● 胸痛  ● チアノーゼ

 ● 血圧低下  ● 頻脈  …など

 

一般的に、10mL以上の空気が入ると、空気塞栓の可能性があるといわれています。10mLの空気は点滴ルート約2m分に相当するため、普段使用している1m程度のルートであれば、仮に1本分の空気が入っても大きな影響はないといえるでしょう。

 

だた、心臓に右左シャント(右心房と左心房の交通)がある場合は、空気が動脈を通ってに空気塞栓が起き脳梗塞を起こす可能性があるので、少量の気泡であっても注意が必要です。

判断に迷うときは、先輩に相談して一緒に判断してもらうことが大切です。
 

編集:看護roo!編集部 小園知恵(看護師)

 

参考文献

 

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