お見舞いの生花持込み禁止?「緑膿菌」感染の危険

【ナース知っ得ニュース 2014/10/1号】

 

入院患者へのお見舞い用生花の持ち込みを禁じる病院が増えています。

手術直後など体の弱っている患者さんが、花や花瓶の水に存在する緑膿菌などが原因で感染症にかかる恐れがあるためです。

生花が持つ癒し効果や、需要の減少に対する危機に見舞われている生花店の現状から、花き卸側からは衛生管理を踏まえた上での改善策が求められています。

 

病院見舞い 生花持ち込み禁止が波紋 日本花き卸売市場協会調査

 

お見舞いの生花が持ち込み禁止?「緑膿菌」感染の危険|ナース知っ得ニュース20141001号|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

生花から「緑膿菌」感染の危険あり

生花の表面には「緑膿菌」などの細菌や「アスペルギルス」などの真菌が付着しており、それらは花瓶の水にも存在するといわれています。緑膿菌は、健常者には無害ですが、抵抗力がはなはだしく低下している人に対して、呼吸器感染症や尿路感染症、菌血症、敗血症などを引き起こす可能性があります。

 

緑膿菌は約100度の熱水やオートクレーブ中で数分加熱・加温したり、50度以上で加熱・加温したりすれば、数十分から一時間で死滅するといわれています。また、市販の消毒薬でも殺菌は可能です。

免疫不全の患者さんのいる施設では、このような滅菌、消毒処理による感染防止が必要だといわれています。

 

生花が持ち込みできない病院は、首都圏2割、関西4割

日本花き卸売市場協会の調査によれば、現在、生花がお見舞い用に持ち込みできるかどうかの内訳は、病院名が分かる件数だけでも次の通り。

 

  • 【首都圏】不可14件、可68件
  • 【関西】不可47件、可65件
  • 【東海、北越】不可21件、可52件
  • 【中四国】不可5件、可5件
  • 【北海道、東北】不可20件、可18件
  • 【九州】不可24件、可74件

 

首都圏で持ち込み不可の病院はまだ2割に満たないですが、関西ではすでに4割にも達しています。

JA全厚連は、厚生連病院では生花の持ち込みに関するルールはなく、対応は病院によって異なると言及しています。

 

感染防止と、花による癒し・見舞い者の思い 両面の考慮を

病院の見舞い用の需要が減ることは、生花店にとっては打撃が大きいもの。すでに院内の生花店が撤退を余儀なくされたケースもあるといわれています。

また、生花の持ち込みを禁止することは、花が持つ患者さんの心を癒す効果や、お見舞いとして持ち込む側の「患者さんに喜んでもらいたい」という思いを、損なうことにもなります。

これらを考慮した上で、日本花き卸売市場協会としては、生花の需要を回復するべく改善策の検討を進めています。

 

(参考)

http://www.shizuoka-bk.jp/qa/detail.php?N=316

http://www.shinagawaseasideclinic.com/skin/atoz/ha/aspergillosis.html

http://pro.saraya.com/fukushi/kansen/shurui-tokucho/ryokuno/

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k00-g45/k00_367.html

http://pro.saraya.com/fukushi/column/dr-yokoyama/backnumber/015.html

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