エボラ出血熱と最前線で戦う医師や看護師にもリスク リベリアでは死者の15%に|ナース知っ得ニュース

【ナース知っ得ニュース 2014/8/13号】

 

西アフリカ諸国で大流行しているエボラ出血熱。世界保健機関(WHO)によれば、エボラ出血熱によって亡くなった人は現時点ですでに1000人を超え、感染者数は1800人以上に上るとみられています。この現状を受け、8日には「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

また、現地の最前線で対処療法を行う医師や看護師にまで感染し、亡くなる人も増えているという現状が報じられています。

 

エボラ熱に倒れる医師・看護師-リベリアでは死者の15%(THE WALL STREET JOURNAL)

 

エボラ出血熱と最前線で戦う医師や看護師にもリスク リベリアでは死者の15%に|ナース知っ得ニュース|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

photo by RNW.org

 

エボラ出血熱と最前線で戦う病院職員たち

西アフリカのリベリア、ギニア、シエラレオネでは、現在も医療従事者たちが最前線で戦っています。しかし、過重労働が強いられる中で、自らが犠牲になるケースも少なくない現状があります。

 

リベリアでは、エボラ出血熱で亡くなった人の15%が、治療に当たっていた際に感染した医師や看護師であったことが政府の記録によって分かっています。シエラレオネにおいては、少なくとも572人が亡くなっていると報告されていますが、このうち、50人は病院職員だったことが分かっています。

 

日本の看護師も支援 医療従事者不足の現状を報告

感染リスクの高い現地で働いている医師や看護師は、防護服の着用や予防的措置を行い対策に努めています。しかし、多数の重篤なエボラ出血熱患者に対応するストレスが大きいため、ミスの余地が生まれ、ウイルス拡大を許してしまうという状況とのこと。

 

実際にシエラレオネの最前線で治療に当たっていたという、NGO国境なき医師団に所属する看護師・吉田照美さんはNHKの報道番組に出演し、次々と亡くなっていく人たちを目の当たりにして、国際社会が協力して支援に当たる必要性があると訴えました。

 

吉田さんの報告では、日々増える一方の患者さんに対して、対応する看護師や医師不足の問題が浮き彫りになりました。

治療薬やワクチンが無い中、症状の緩和を目的とした、水分補給や解熱、ビタミン剤や鎮痛剤の投与などの対処療法しか行えない状況だったそうです。

 

取り締まりを強化する各国 未承認薬投与協議も

WHOが緊急事態を宣言したことを受け、アフリカ最大の人口を有するナイジェリアにおいても非常事態が宣言されるなど、対策が本格的に強化されています。アメリカCDC疾病対策センターでも、警戒レベルが最高のレベル1に引き上げられたり、フランスのパリ郊外にある国際空港でも、西アフリカ各国からの直行便に対して対策が取られたりと、各国で取り締まり強化に対する動きが見受けられます。

 

致死率が極めて高いエボラ出血熱は、今のところ有効な治療薬や予防のためのワクチンがありません。しかし、リベリアでエボラウイルスに感染したアメリカ人患者2名が帰国後、未承認薬によって効果が出ていることが分かっており、これに対し、WHOは未承認の薬の投与を認めるかどうかの協議を行うことを明らかにしています。

 

(参考)

http://www.cnn.co.jp/world/35052134.html

http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2014/08/0805.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140808/k10013660421000.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140809/k10013677981000.html

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140808/k10013650251000.html

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GB2AF20140811

 

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