うちの病棟ゆるすぎ?他病棟の同期に置いてかれそう…|看護師かげと白石の今週のモヤッと(50)

この連載では、総合病院で働く看護師のかげと中堅看護師の白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.50 うちの病棟ゆるすぎ?他病棟の同期に置いてかれそう…

働く病棟のゆるさに危機感を感じる新人看護師のイラスト

今回は看護師1年目の方からのお悩みです。

 

 

私の病棟は慢性期でゆったりしていて、定時で終わるし、ゆるくて優しいと言われています。
休みも取りやすく、働きやすくていいところも多いです。

 

しかし研修はあっても新人の課題やレポートなどはなく、経験する技術や習得する知識が少ないため、他の病棟や病院に行くことがあったときに大丈夫だろうかと不安で仕方ありません。

 

他の病院の子は課題や勉強会で知識を増やしているし、他の病棟の新人も吸引一つでも色々教えてもらっているようで、自分が置いていかれている気がしています。

 

自分で勉強したくても、何からどうやっていけばいいか分からずにいます。

 

他の病棟に異動した方が成長できると思っている点など師長さんに相談しようかと考えています。
このモヤモヤを解消するにはどうしたらいいでしょうか…?
 

(ぴぬさん 看護師1年目)

 

「他の病棟ではこんなこともやっているんだ!」といろいろ知ると、不安になったり焦ったりする気持ちわかるなー。

 

私も新卒で小児科に配属されたんだけど、成人看護でやるような看護技術はなかなか経験できなくて…。

 

他の病棟に比べてできる看護技術が限られてるんじゃないかって悩んでたことあったよ。

 

看護師かげさんのアイコン

僕も新人のとき、同期から同じことで悩んでる話は聞いたことがあるよ。
けっこう悩む人多いよね。

 

急性期とかで働いている他の同期たちが何だか進んでいる気がして、置いていかれている感じがするんだよね…。

 

どうしたらいいか、一緒に考えてみよう!

 

 

異動したら成長できるもの?

習得できる看護技術は、確かに病棟によって差があるよね。

 

ある病棟では基本的な採血、ルート確保、吸引とか毎日のようにやっているけど、別の病棟では週に何度かしかない、とかね。

 

だけど「今の慢性期病棟だと看護師として成長できなくて、異動したら成長できるのか」といったら、私はそうではないと思うんだよね。

 

看護師かげさんのアイコン

うんうん。
慢性期病棟では患者さんの状態の変化は少なかったとしても、疾患に関して勉強することはたくさんあると思う。

 

異常の早期発見や合併症、廃用症候群の予防、退院支援とか!

 

そうだよね。


それに、『急性期病棟は目まぐるしくて、毎日の業務をこなすので精一杯。じっくり勉強する余裕がなくて不安』って聞くこともあるよ。

 

相談者さんが今いる慢性期病棟は落ち着いていて、定時で終わって休みも取りやすいところみたいだね。

 

時間に余裕があって慢性期のことが学べる環境は貴重だと思うから、私は大事にしてほしいって思うなぁ。

 

看護師かげさんのアイコン

思うに、他の病棟でできることと、今いる病棟でできることが違うだけなんじゃないかな。

 

その違いを「差」として感じちゃってるところも、ひょっとしたらあるのかも。

 

どんな病棟で働いても、看護師として成長できると思う。

その経験や知識は、他の病棟に行っても生かせるハズ!

 

たしかに!
でももちろん「私も他の同期みたいにいろんな技術ができるようになりたい!」という気持ちは大事だと思うよ。

 

看護師かげさんのアイコン

僕もそう思う!

1年目だとスタートが一緒だった同期と比べて、自分の成長について悩むのもすごくわかるんだよね…。

 

でも、いったんフラットに「この病棟で私はどんなことを学んで、伸ばしていけるかな」って考えてみてもいいと思うよ!

 

 

病棟でできないことは、病棟外に学びに行くことも◎

看護師かげさんのアイコン

ということで、あらためて今の病棟に目を向けてみよう!

 

1年目は看護技術チェックリストのようなものがあると思うんだよね。
今の病棟で身につけられる技術は何かチェックしてみよう。

 

うんうん。
慢性期病棟だからこそ学べる技術や得られる経験は大切だもんね。

 

看護師かげさんのアイコン

慢性期に特化したスキルをどんどん身につけていこう!

それと並行して、気になっている「伸ばしたい技術」を学んでいくのはどうかな?

 

いいね!
たとえば、チェックリストを眺めて

 

「身につけたいけど、慢性期ではあまり経験できそうにないものがあるな」

 

と思ったら、他の病棟に見学に行ったり、ヘルプ的な形で経験させてもらえないか、教育担当者や師長さんに相談してみるといいんじゃないかな。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね!

1年目からも参加させてもらえるかもしれないね。

 

私も小児科に勤めていたときは、外来のヘルプで、普段やることが少ない採血やルート確保をさせてもらったよ。

 

そういうチャンスがあるなら「勉強したいです!」って積極的に参加するといいんじゃないかな。

 

慢性期病棟にいたままでも何か新しいことを学ぶことはできると思うから、周りの人に要望を伝えたりして働きかけてみてもいいと思う。

 

看護師かげさんのアイコン

そうだね。
あとは、他の病棟で行われている勉強会に参加させてもらうのも一つの手だよ。

 

僕も行ったことがあって、いろいろ勉強になったからオススメ!

 

それもいいね。

病棟で課題とか出なくても、こういう方法で自分から勉強する機会を作ることもできるよ。
ぜひ試してみてね!

 

 

一度師長さんに相談してみる

看護師かげさんのアイコン

いろいろ話してきたけど、今不安に思ってることや、もっといろいろ学びたいと思ってること、師長さんに伝えてみるのもいいよね。

 

そうだね。
師長さんに一度話を聞いてもらうのはいいと思う。

 

異動を考えるくらい悩んでいるなら、相談してみると師長さんも何か考えてくれるかも。

 

看護師かげさんのアイコン

あと、これはちょっとしたアドバイスなんだけど…。

 

もし異動を希望するなら、「ここだと学べる技術が少ないから」という理由だけじゃなくて、異動先でやりたい看護があったほうがいいと思う。

 

そうしないと、もし異動先で「こんなハズじゃなかった…」みたいなギャップを感じたとき、乗り越えるのがツラくなっちゃうかもしれないからね。

 

たしかに。
師長さんにその辺も少し具体的に相談できるといいよね。

 

「急性期の看護技術を身につけたいんです」
「●●病棟でこういう看護がしてみたいんです」

 

とか!

 

看護師かげさんのアイコン

うんうん!

同期とあまり比べすぎないで、「自分はどうしたいのかな」って考えてみてくださいね。

 

 

今週のピカッと


☆他の病棟でできることと、今いる病棟でできることは違うけれど、どの病棟で働いても看護師として成長することができる

 

☆今の病棟でできないことは、病棟外に学びに行くことも◎

 

☆一度師長さんに相談してみよう

 

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プロフィール

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。


10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

●書籍紹介

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影
 

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