医療者とのコミュニケーションに課題アリ…!?がん患者さん約2万人の全国調査|看護roo!ニュース
年々、進歩し続ける、がん治療。
実際に治療を受けている患者さんは、どんなふうに感じているのでしょう。
国立がん研究センターが行った「平成30年度 患者体験調査」では、がん医療に対する総合評価は10点満点で平均7.9点と高めの結果でした。
しかし、細かく見てみると、医療者とのコミュニケーションには課題もみられました。
【調査概要】
2019年1月~7月、全国の院内がん登録実施施設166施設、約2万人を対象にアンケート調査を実施。8935人から回答があり、うち7080人を解析。小数点以下第2位は四捨五入のため、構成比合計が100%にならない場合あり。
医療者からの説明が不十分?
治療決定前に医療者から治療に関する十分な情報を得られたと答えた人は、75.0%でした※。
※「とてもそう思う」「ある程度そう思う」の回答を合わせた割合
医療者からの情報提供に対する評価は高めの結果です。
その一方で、医療者から以下の項目については、それぞれ4~6割ほどの人が説明を受けていないと回答。
●セカンドオピニオン
●治療による不妊への影響
●就労の継続
説明がなかった人の中には、患者さんや家族からセカンドオピニオンの話を質問した人や、治療による不妊への影響や就労の継続の説明を必要としていたと答えた人もいました。
すべての患者さんに説明が必要とは限らないものの、聞きたくても聞けない人が一定数いるようです。
「患者体験調査報告書 平成30年度調査」(国立がん研究センター)を基に看護roo!編集部で作成
医療者に相談しづらい?
また、対話や相談に対する項目でも、課題がみられました。
医療者と十分な対話ができた人は67.5%でしたが、主治医以外にも相談しやすい医療者がいた人は48.8%と半数以下にとどまりました※。
また、医療者に身体的につらい時すぐ相談できる人は46.5%、心がつらい時では32.8%と、さらに少ない割合でした※。
※「とてもそう思う」「ある程度そう思う」の回答を合わせた割合
「患者体験調査報告書 平成30年度調査」(国立がん研究センター)を基に看護roo!編集部で作成
患者さんによっては、医療者に相談するのはハードルが高いことが、調査結果から読み取れます。
***
今回の調査からは、がん患者さんの治療に対する総合評価は高めではあるものの、医療者とのコミュニケーションに課題があることがわかりました。
がん患者さんとのコミュニケーションや治療中の声掛けなどで、看護師のみなさんの参考になるのではないでしょうか。
看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo)
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