平均在院日数がより短く、入院患者の入れ替わりがより激しく…|看護roo!ニュース

平均在院日数は短縮、1日平均在院患者数は減少、1日平均外来患者数は減少、1日平均新入院患者数は増加、1日平均退院患者数は増加

 

平均在院日数の短縮化が進み、入院患者の入れ替わりが激しくなっています。

 

厚生労働省の「病院報告」によると、2018年の全国の病院の平均在院日数は全病床で27.8日。10年前と比べると5.4日短くなっていました

 

つまり、看護師の入退院業務にかかわる負担が増えているということです。

 

看護師が知っておきたい、平均在院日数や患者数の推移をまとめました。

 

 

病床種類別での平均在院日数は?

まず、病床種類別の平均在院日数の推移を見ていきます。

 

最も日数が短縮されていたのは「精神病床」でした。

2018年の平均在院日数は265.8日で、10年前より41.6日短くなっています。

 

次いで短縮されていたのは「療養病床」(141.5日)で、10年前より38.0日短くなっていました。

 

元々日数が短い「一般病床」(16.1日)でも、10年前と比べると2.4日縮まっています。

 

病床種類別 平均在院日数の推移/精神病床、2009年:307.4、2010年:301.0、2011年:298.1、2012年:291.9、2013年:284.7、2014年:281.2、2015年:274.7、2016年:269.9、2017年:267.7、2018年:265.8/感染症病床、2009年:6.8、2010年:10.1、2011年:10.0、2012年:8.5、2013年:9.6、2014年:8.9、2015年:8.2、2016年:7.8、2017年:8.0、2018年:8.3/結核病床、2009年:72.5、2010年:71.5、2011年:71.0、2012年:70.7、2013年:68.8、2014年:66.7、2015年:67.3、2016年:66.3、2017年:66.5、2018年:65.6/療養病床、2009年:179.5、2010年:176.4、2011年:175.1、2012年:171.8、2013年:168.3、2014年:164.6、2015年:158.2、2016年:152.2、2017年:146.3、2018年:141.5/一般病床、2009年:18.5、2010年:18.2、2011年:17.9、2012年:17.5、2013年:17.2、2014年:16.8、2015年:16.5、2016年:16.2、2017年:16.2、2018年:16.1

出典:厚生労働省「病院報告」を基に看護roo!編集部で作成

 

 

平均在院日数が長い「高知県」、短い「東京都」「神奈川県」

都道府県別の平均在院日数をみると、2018年に最も長かったのは「高知県」(45.6日)で、次いで「鹿児島県」と「佐賀県」(40.8日)でした。

 

反対に、最も短いのは「東京都」と「神奈川県」(21.8日)で、「愛知県」(23.5日)が続きました。

 

最長の高知の日数は、最短の東京や神奈川の約2倍。

人口あたりの病床数が多い都道府県ほど、平均在院日数が長くなる傾向はこれまでと同様でした(関連記事)。

 

平均在院日数が長い・短い都道府県(※病院の全病床 2018年の1年間)/【長い都道府県】1:高知県(45.6日)、2:鹿児島県、佐賀県(40.8日)、4:山口県(39.4日)、5:熊本県(39.1日)/【短い都道府県】1:東京都、神奈川県(21.8日)、3:愛知県(23.5日)、4:長野県(23.6日)、5:岐阜県(24.4日)

出典:厚生労働省「平成30年病院報告」を基に看護roo!編集部で作成

 

 

外来患者・在院患者は減少傾向

次に、患者数の推移を見ていきましょう。

 

2018年の1日あたりの平均外来患者数は133万4097人平均在院患者数(入院中の患者数)は124万6867人でした。

 

10年前と比べると、外来患者(約8万2000人減)も在院患者(約6万1000人減)も減っています。

 

病院の1日平均外来・在院患者数の推移(※全国の病院の患者総数 各年間)/1日平均外来患者数/2009年:1,416,845、2010年:1,412,245、2011年:1,401,669、2012年:1,397,864、2013年:1,389,983、2014年:1,372,114、2015年:1,366,693、2016年:1,355,757、2017年:1,346,627、2018年:1,334,097 
1日平均在院患者数/2009年:1,308,219、2010年:1,313,421、2011年:1,299,322、2012年:1,287,181、2013年:1,275,347、2014年:,261,181、2015年:1,255,404、2016年:1,250,769、2017年:1,252,295、2018年:1,246,867

出典:厚生労働省「病院報告」を基に看護roo!編集部で作成

 

 

入退院患者は増え、入れ替わりが激しく…

入院中の患者数は減っていましたが、1日に入院してくる患者や退院する患者の数は年々増えています。

 

2018年の1日あたりの平均新入院患者数は4万4826人で、平均退院患者数は4万4878人でした。

 

10年前と比べると、入院患者も退院患者も約5500人増えています。

 

つまり、ベッドの回転が激しくなっているということです。

 

病院の1日平均入退院患者の推移(※全国の病院の患者総数 各年間)/平均新入院患者数/2009年:39,391、2010年:40,437、2011年:40,608、2012年:41,285、2013年:41686、2014年:42,210、2015年:43,171、2016年:43,852、2017年:44,444、2018年:44,826/平均退院患者数/2009年:39,395、2010年:40,445、2011年:40,618、2012年:41,323、2013年:41,744、2014年:42,222、2015年:43,220、2016年:43,833、2017年:44,411、2018年:44,878

出典:厚生労働省「病院報告」を基に看護roo!編集部で作成

 

 

看護師の入退院業務が増えている…

国は、医療費の抑制や病床の確保をするために、患者の入院日数が長くなるほど診療報酬を減らす改定を進めています。

そのため、平均在院日数は年々短くなっており、今後も短縮していくとみられます。

 

それに伴い、入院患者の入れ替わりが激しくなっていることが、病院報告のデータからうかがえました。

 

看護現場のマンパワー不足が問題となる中、看護師の入退院にかかわる業務量にも注視していく必要があります。

 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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(参考)

病院報告(厚生労働省)

平成30年病院報告(厚生労働省)

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