医師や看護師に痛みを上手く説明できない患者さんは7割以上!|ナース知っ得ニュース

【週刊】ナース知っ得ニュース 2014/3/22号

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医師や看護師に痛みを上手く説明できない患者さんは7割以上!

2013年9月に、医薬品製造会社であるファイザー株式会社が次の調査を行いました。

「47都道府県比較:長く続く痛みに関する実態調査2013」というもので、患者さんが医者や看護師に、どのように自分の感じている痛みを伝えているか、その表現方法などについてのインターネット調査です。

本調査では、患者さんが医師・看護師に痛みを伝える際の葛藤や試行錯誤の実態が明らかになっています。
 

ファイザー株式会社「47都道府県比較:長く続く痛みに関する実態調査2013」

 

自分の痛みを医師・看護師に上手く説明できなかった経験を持つ患者さんは74.7%

「通院経験を有する慢性疼痛を抱える人」8,183人を対象に行ったアンケート項目では、医師や看護師に体の痛みを説明した時、ことばで上手く説明できなかった経験があるかの問いに対して、「よくある」が21.0%、「ときどきある」が53.7%でした。つまり、合計74.7%の患者さんが、医師や看護師へ自分の抱える痛みの伝え方に苦労しているということです。

 

ナース知っ得ニュース【2】|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

痛みを上手く伝えるためには、オノマトペ(擬音語・擬態語)が有効

一方、自分が抱える痛みを表現する際に、「頭がガンガンする」「腰がズキズキする」などのオノマトペ(擬音語・擬態語)を活用しているという人は82.8%もいたそうです。

患者さんが痛みの表現にオノマトペを活用する理由としては、「感覚的/直感的に表現できるから」58.1%、「痛みを適切に表現できるから」46.7%、「短いことばで伝えられるから」22.7%の順に高い割合を占めたそうです。

また、オノマトペを活用することで、医師や看護師へ痛みを理解してもらえたと手応えを感じた人の割合は80.7%にも上りました。

 

疾患別・高い割合を示したオノマトペ表現

調査においては、疾患別に多い表現方法も明らかになっています。

炎症や刺激による痛みである侵害受容性疼痛のうち、肩関節周囲炎、変形性膝関節症などは「ズキズキ」、片頭痛、緊張性頭痛などは「ガンガン」といった表現が高い割合でみられたそうです。

また、神経障害性疼痛のうち、坐骨神経痛糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛、脳卒中後疼痛においてはいずれも、「ズキズキ」「ジンジン」「ビリビリ」「ピリピリ」「チクチク」などの表現が共通して高い割合を示したそうです。

 

本調査を受けた日本大学総合科学研究所の教授である小川節郎先生は、次のようなコメントを寄せています。

「(患者さんが)どのような痛みであるのか表現しようとしても伝えきれないということは、痛みの表現の難しさ、診療の難しさが、改めて浮き彫りになったと感じています。(中略)痛みの診療における医師の大きな役割の一つは、患者さんの痛みの症状やエピソードをしっかりと聞くことですので、医師は患者さんが安心して伝えやすい環境を作ることが重要だと考えます。」

 

今後、「患者-医師・看護師間」のより良いコミュニケーションを実現するための研究がさらに進展することが期待されています。

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