助産師×プロボクサー!富樫直美さん【1】|憧れナースに会ってきた!

ナースで○○もやってます、って看護師さん、多いですよね。活躍のかたちはいろいろだけど、皆キラキラしててステキ。そんな憧れのナースに、輝くヒケツを聞いてみたい!

 

というわけで、“ナースが会いたいナースに会いに行く”企画第二回は、なんと、元ボクシング世界チャンピオン!『戦う助産師さん』が登場です。

 

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | 助産師×プロボクサー!富樫奈緒美さんに会ってきた【1】

富樫直美さん NTT東日本関東病院 産婦人科

1975年生まれ。助産師11年目。NTT東日本関東病院に勤務するかたわら、女子プロボクサーとして活躍。2008年から2012年までWBC女子世界ライトフライ級チャンピオン。7回防衛。2012年9月、プロ引退。著書に『走れ!助産師ボクサー』(NTT出版)がある。

 


 

■代名詞は『戦う助産師』

助産師の仕事は、毎日『戦い』と例えられてもいいくらいのハードワークですが、富樫さんは実際の『戦い』をリングの上で繰り広げるプロボクサーとして、本当の意味での『戦う助産師』として活躍されていました。2012年にはご結婚され、同年4月、引退。

 

引退試合の数日後というタイミングで、お話を伺いに行ってきました。

 

「今は、ボクシングはやりきったって思います。もう走りたくない(笑)

次に挑戦したいことがたくさんあるんです!ボクサーの経験がある助産師なんて、なかなかいないですから。今興味があるのはマタニティヨガ。学生向けの性教育や、高齢出産についても伝えていきたいし・・・私自身も、出産したいですし」

 

『プロボクサー助産師』の経験を活かす野望を語る富樫さんの目は、みるみるうちにキラキラ輝いていって、今回会いに行ったナース、浅井裕美さん(26)もつられてキラキラ。

 

「とにかく大尊敬なんです!助産師を続けるだけでもめちゃくちゃ大変なのに、トレーニングして試合もして、しかもご結婚されて女性としても輝いていて・・・いろんなことを実現してる。何が原動力になっているのか、知りたいです!」

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■助産師は太るからボクシング!?

富樫さんがボクシングを始めたのは32歳のとき。助産師として病棟で働きながら、最初はダイエットのために始めたのだそう。

 

きっかけがダイエットとは・・・助産師の仕事って、ダイエットの必要もないくらいハードなイメージがあります。

 

「いやー(笑)。そういう意味での『ハードさ』じゃないというか・・・確かに体力は使いますけど、それ以上にストレスを抱える人が多い。だからお酒飲む人も多いんです。私も、帰って一人で飲んだりしてました。それで太っちゃったりして・・・」

 

仕事のストレス太りを解消するために始めたボクシング。たしかに最近では気軽なフィットネスとしての『ボクササイズ』も一般的になりましたよね。でも、富樫さんが始めたボクシングは、どうやらガチンコの格闘技の方だったよう。

 

「もともと兄が格闘技好きで、よく見てたんです。それでボクシングを見たときに、すごくかっこよくて。

ボクサーって何ヶ月も減量して、リングに立って真剣勝負するスポーツ。リングに立つのって、すごい恐怖心との闘いだし、なんでそこまでしてそこに立ちたいのかなって興味深くて。ジムに行ったらそういうボクサーの心情とか、練習方法とかも知れるので行きたいなと思ったんですよ」

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■勝つためには、ごまかせない

ダイエットとはいえ、トレーニングを頑張ればその分結果がついてくるボクシング。自分がやった分だけ返ってくる、というボクシングの世界に魅了されていったといいます。

真剣に練習を続けるうちに才能を認められ、2008年、日本で女子プロボクシングが公認されたタイミングでテストをパスし、プロボクサーデビューを果たしました。その後、WBC女子世界ライトフライ級チャンピオンとなり7度の防衛。その間、ずっと助産師の仕事とトレーニング・試合を両立していました。

 

助産師の仕事をしながら、更にボクシングのトレーニングでも自分を追い込む。自分を律する強い心がないと、なかなか続けられないことです。

 

「うーん。そもそもは、私なんて自分に甘い人間ですよ。でも、チャンピオンという地位がいろんなことを学ばせてくれたというか。チャンピオンになって、自分がいちばん変わった部分だと思います。

 

まあいいやってごまかせることって、普通の生活じゃいっぱいあると思うんです。でもボクシングだとごまかせない。怠けたら試合ではっきり出るんで。

 

例えば練習では、朝から16km走って、午後練でまた砂浜を走って、40kmとか50kmとかの走りこみを普通にしてました。そういうことが自信になってリングに立てるんです。だから勝つためにはやらなきゃいけないこと。そこでやれる人間は勝てるし、やらない人間は負ける。」

 

自分を追い込んで追い込んで、どこまでできるか。それが結果に直結する勝負の世界。医療現場とはまったく違う世界ではありますが、その真剣勝負のシビアさ、緊張感は、どこか似ているような気もします。

 

Vol.2へつづく―

 


 

【助産師×ボクサー!富樫直美さんインタビュー】

Vol.1 代名詞は『戦う助産師』

Vol.2 助産師とボクサー、両立のヒケツとは?

Vol.3 プロフェッショナルとして、富樫直美として


 

【憧れナースに会ってきた!他の記事】

ナース×絵本作家×ギャル!?阪倉友弥さん

 

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