ナース×絵本作家×ギャル!?阪倉友弥さん|憧れナースに会ってきた!【1】

ナースで○○もやってます、って看護師さん、多いですよね。活躍のかたちはいろいろだけど、皆キラキラしててステキ。そんな憧れのナースに、輝くヒケツを聞いてみたい!
というわけで、“ナースが会いたいナースに会いに行く”企画、スタートです!

 

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | ナース×絵本作家×ギャル!?阪倉友弥さん

阪倉友弥さん 東大医学部付属病院ICU
1980年生まれ。看護師11年目。市立釧路総合病院、阪大医学部附属病院を経て、現在東大医学部付属病院ICUにて勤務。病院勤務のかたわら絵本や詩の創作活動を続け、2012年3月、「心の鏡」(日本文学館)を初出版した。
 


 

今回の『憧れナース』阪倉さんに会いに行ったのは、浅井裕美さん(26)。大学病院から一般のベンチャー企業を経て、クリニックに勤務しています。

「私自身、大学病院で働いていたことがあるので、その忙しさはわかるつもりです。忙しいだけじゃなく、大きい組織ならではのしがらみっていうか、大変さもありますし。だから、そんな中で自分の好きなことを貫き通して、出版までこぎつけたなんて本当にすごいと思う。どうやって実現したのかお聞きして、私もキラキラできるヒントをもらいたいです!」
 

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | ナース×絵本作家×ギャル!?阪倉友弥さんインタビュー


■両立なんて、してません

大学病院に限らず、急性期でフルに働きながら、勤務とは他に自分の好きなこともやりきるとなると、確かにとても大変そう。きっと相当な努力を続けているんだろうな、と想像してしまいます。
そんな思いから、「すごいです。両立、大変だと思います」という浅井さん。
でも、阪倉さんからは意外な反応が。

「そんなことないですよ(笑)どっちも楽しいですもん。
私は、自分が好きなことをぜんぶやりたくてやってるだけなんですよね。だから特別両立しなきゃ!って思ってやってるわけじゃないです。
ただ、絶対だらだらはしない。プライベートでもタイムスケジュールを組んでます。休むときも、『ここからここまで休む』って決めて休むし。」

阪倉さんにとってそれは、「がんばってやる」ことではなく、ごく自然なことなんだそう。

「もちろん最初からできてたわけではなくて、時間を管理するには訓練が必要でしたよ。ただ、それも自分が好きなことをやる時間をつくるためだからなんとも思わない。
時間がなくて好きなことができなくなっちゃったら、ストレス溜まるじゃないですか。で、ストレス発散のためにまた時間を使うなんて、もったいない!って思う」


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浅井さん「たしかに・・・溜めなければ発散する必要もないって、そんな発想したことなかったです。
阪倉さんがステキだなと思うのは、ポジティブに自分のやりたいことをやりきっていくところ。私は、忙しかったり仕事が大変だとついマイナス思考になって、好きなことができないのも仕方ないって諦めちゃいがちだから」

阪倉さん「私、最初に看護師になりたいと思ったのは小学生の頃だったと思うんですけど、『白衣姿のナースさんってステキ!』って憧れたのがきっかけなんです。それから、憧れの白衣を着るためにはどうしたらいいかって考えて看護師への進路を選びました。だから実習とか新人時代とか辛くても、『白衣着れるなら・・・!』ってがんばれた(笑)
たぶん、『好き』って気持ちが強いから、それに向けてやることはブレないんだと思います。」

好きなことに真剣に向き合う。考えてみれば当たり前のことですが、看護師というハードな仕事を続けながらそれを貫くって、やっぱりなかなか難しいことですよね。
どちらか一方だけを選ぼうと考えたことはないのでしょうか。
 

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阪倉さん「私、ナースの仕事をやめたら絵本もつくれません。ずっと両方続けたい。
臨床現場で働いていると、人と触れ合う中でいろんなことを感じるじゃないですか。そこから作品のインスピレーションが沸いてくるんです。作品のネタって、忙しいときほど思いつくんですよ。それこそ急変が続いてバタバタしてるときなんかに、ふと入ってきた言葉でひらめいたり。
それにね、仕事に行くとき『今日もネタ探しに行こう♪』って思ったら、楽しくなるでしょう? (笑)」

 

 

■看護師さんに読んでほしい

浅井さん「絵本はいつから描き始めたんですか?」

阪倉さん「看護師になったのと同時くらいですね。もともと詩を書いていたんですが、その年に甥っ子が生まれたので、彼を読者に見立てて絵本を描き始めました。だから外に向けて発表しようとかそういう気持ちはあんまりなかったんです。」

浅井さん「それが実際に出版されたわけですよね」

阪倉さん「それはタイミングですよ。もともと表現活動が好きで、自分が楽しいから描いていただけ。それがたまたま認められたというか。でも、それで多くの人に読んでもらえるチャンスが得られたのはとても嬉しいです。
心の鏡という絵本は、じつは看護師さんに読んでほしくて描いたんです。伝えたかったのは『自分の顔は自分の心がつくる』というメッセージ。母にずっと言われてきたことなんですけど、臨床現場で看護師が辛い顔して働いているのを見て、これは伝えなきゃと思った。

 

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看護師って見られる職業だと思うんですよ。患者さんをケアする者としての看護師って、医療従事者としての厳しさをそのまま見せていいかっていうとそうじゃないと思う。患者さんに安心してもらえるように、看護師としての顔を自分で作らないといけない。でもそれができないナースがたくさんいるのを目の当たりにして、少しでも多くのナースが気づいてくれたらいいなと思って絵本にしました。
何より、私自身が『嫌な顔してる自分』がだいっ嫌いなんで(笑)自分の心が幸せであるために、どうしたらいいかなっていつも考えてたことを、絵本というカタチにして伝えただけなんです。」

 

■やりたいなら、やる。それだけ

阪倉さんの言葉を聞くと、当たり前のように自分の「好き」を貫いていて、なんだか簡単なことみたいに思えてしまいます。でも、本当はたくさん苦労もされたし、リスクもあったはず。

阪倉さん「よく『ナースっぽくない』って言われるんですよ。『ギャルなのにナースで絵本作家』って、自分のブログにも書いてるくらいだし(笑)それが私らしさなんですよね。でも、それを良くないと思う人もいる。だからこうやって、メディア等で発信するんだったら、二束のわらじを履き続けるのは正直リスクもあると思っています。
でも、やりたいことは全部やりとおしたいんです。
だってやりたいことをやってなかったら、自分らしくないから。自分らしくいることを我慢すると、ストレスが溜まるんです。そうするとストレス発散のための時間が必要になって、そのせいでやりたいことがもっとできなくなって・・・って、そんなの嫌ですよね!(笑)」

やりたい!という強い思いを実現するためには、リスクを負ってもとにかくやってみる。それ自体が、「阪倉友弥らしさ」の一部なんですね。
 

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阪倉さんが大切にしている言葉を聞くと、『幸せは自分の心が決める』との答え。そこに、阪倉さんの輝きのヒケツがぎゅっと詰まっている気がします。

阪倉さん「私が輝いて見えるんだとしたら、それはきっと、自分らしさをそのまま出してたりとか、やりたいことをそのままやってるからなんだと思います。でも、それができるのって、自分が幸せでありたい!そのためにやりたいことやりたい!っていう思いがあって、それを叶えるためにどうするか、考えたからです。何が自分にとっての幸せなのかっていうことに向き合った結果だから。そんなに特別なことじゃないんですよ」
 

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自分の「好き」に対してのまっすぐな思いが阪倉さんの原動力。思うだけでなく、それを実現するために何をするべきかを考え、実行するだけ。シンプルだからこそ、強い力です。
お話を終えた後の浅井さんの一言が、その力を物語っていました。

浅井さん「好きなことと仕事がお互いにいい影響を与えてるって、本当にステキだと思います。ナースとしても、女性としても、好きなことに対して、こんなに一途でいいんだ、素直でいいんだって、勇気をもらえました」

 

【看護roo!編集部】

 

【阪倉さんの輝きのヒケツ!Q&A】

Q.気分のアガるものってありますか?
A.コスプレ(笑)ファッションが好きなので、その延長線上で。いつもできない格好ができるとテンション上がります!・・・ナース服に憧れた頃から変わってないですね(笑)

Q.輝くためにやってることってありますか?
A.自分の書いた文章は定期的に読み返します。ブログとか作品とか。アウトプットはポジティブなことを書くって決めているので、プラスの自分を振り返ることで、もっとステキなひとでありたいなって思えるから。

 

 


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