40代・未経験から新人訪問看護師になってわかったこと|ゼロからの訪問看護

ゼロからの訪問看護

Vol.1 40代・未経験から新人訪問看護師になってわかったこと

 

訪問看護師になりたくて、私は仕事を辞めて看護学校に入学しました。

入学時の年齢は42歳。まわりはほぼみんな18歳。我ながらよく辞めなかったと思います。(笑)

 

この連載では、看護師として経験が浅く年齢も高い私が、約1年間訪問看護師として働いてきた体験をお伝えしていくことで、訪問看護の現場を知っていただき、少しでも興味を持ってもらえたらと思っています。

 

【目次】

  • ・採用の必須条件「病棟経験3年以上」は超えられる?
  • ・病棟から訪看に入るメリット、デメリット
  • ・「新人から訪問看護師」の現実

 


【筆者】なつのようこ

訪問看護師2年目。一般企業で勤務する中で在宅医療に触れ、自ら訪問看護師になるべく辞職し42歳で看護学校に入学。看護師として一般病院で1年勤務後、訪問看護ステーションに入職し活躍中。


 

 

採用の必須条件「病棟経験3年以上」は超えられる?

さて、18歳に囲まれながらやっとの思いで看護学校を卒業し、「さあ、訪問看護の世界へ」と思って仕事をさがしましたが、最初の大きな壁は「病棟経験3年以上」の条件でした。

 

訪問看護ステーションの求人欄には必ずといっていいほど「病棟経験3年以上」という条件があります。看護学校の先生にも相談しましたが「まずは病棟を3年は経験しないとね」とまったく取り合ってもらえませんでした。卒業してすぐは見つからず、観念して病棟に入職して1年働きました。

 

でもやっぱり訪問看護がやりたい!

やっとのことで経験1年でもOKという訪問看護ステーションにめぐり合って、今まで1年間働いています。

 

病棟から訪看に入るメリット、デメリット

なぜ経験1年でも受け入れてくれたのでしょうか?

 

面接の際に聞いてみました。入ってから「本当は新人なんか採りたくなかったんだよね~」なんて言われたらたまりませんからね(笑)

 

そうしたら、こんな答えが返ってきました。

「病棟で学んだことがすべて訪問に当てはまるわけではない。だから、まっしろな状態からちゃんと教育して訪問看護師を育てたい」と。

 

訪問看護は1人で患者さんのお宅を訪問し、医療処置や療養上必要なケアを行わなければなりません。このため患者さんに何かあっても自分で判断してすぐに対応できるように、多くのステーションではベテランの看護師が即戦力として求められています。

 

一方で、ベテランの看護師自身は、経験豊富である分、それまでのやり方から切り替えるのが難しいという面もあります。

 

私の働くステーションでも、在宅での看護は病院の看護とは異なる点が多々あるため、そこに違和感を抱いて辞めてしまう人が結構多いのだそうです。

 

「新人から訪問看護師」の現実

昨年の診療報酬改定では、医療は在宅へと大きく舵を切りましたが、現在訪問看護の世界で働く看護師は全体の約2%にすぎません。

厚生労働省は訪問看護師の新人教育を推進していますが、小規模事業所が多い訪問看護ステーションにそんな余裕などないのが現実なのです。

 

私は病棟経験1年。ですが、運よくきちんと教育してくれるステーションに入ることができました。このタイミングで訪問看護師になって、よかったと思っています。

 

たしかに経験が浅いことで大変なこともあります。でもそれは、病棟でも同じこと。ひとつずつ経験を積んでいくものだし、訪問看護師もそうやって成長しないことには現状は何も変わりません。

 

 

次回からは、約1年間、私が新人訪問看護師として体験したことをお伝えしたいと思っています。

まずは、訪問看護を目指してどんな風に働く場所を見つけたか、訪問看護ステーションの見つけ方から。

 

 


【筆者】なつのようこ

訪問看護師2年目。一般企業で勤務する中で在宅医療に触れ、自ら訪問看護師になるべく辞職し42歳で看護学校に入学。看護師として一般病院で1年勤務後、訪問看護ステーションに入職し勤務中。

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