瞳孔不同(アニソコリア)とは・・・
瞳孔不同(どうこうふどう、anisocoria)は、瞳孔(瞳の中央の黒い部分)の大きさに差がある状態のことである。英語から由来し、アニソコリーなどと呼ばれる。
一般的には、その差が左右で1mmよりも大きい状態を指し、1mm以下の左右差は生理的にも見られる場合がある。瞳孔運動にかかわっている神経経路の異常、または虹彩自体の異常がこれを引き起こす。
瞳孔不同を見分けるには、明所、暗所における対光反応で異常の有無を確認する。
(1)明所では通常、対光反応によって瞳孔は小さくなるため、対側よりも瞳孔が大きい(=散瞳)と異常が疑われる。
(2)暗所では逆に瞳孔は大きくなるため、対側よりも瞳孔が小さい(=縮瞳)と異常が疑われる。
(1)の原因には外傷性散瞳、緑内障発作、動眼神経麻痺(時に脳動脈瘤に伴う)、散瞳剤点眼の使用、瞳孔緊張症などがある。(2)の原因にはホルネル症候群(ワレンベルグ症候群、肺尖部腫瘍、海綿静脈洞病変などにより起こる)、虹彩炎などがある。