新生児呼吸窮迫症候群とは・・・
新生児呼吸窮迫症候群(しんせいじこきゅうきゅうはくしょうこうぐん、infantile respiratory distress syndrome;IRDS)とは、新生児期に引き起こされる呼吸窮迫症候群を指す。肺サーファクタントが足りないため、必要な酸素を十分に取り入れられなくなる疾患である。在胎37週未満出生の新生児に最もよく起こるもので、未熟性が高いほど欠乏の程度も高い。
原因
常位胎盤早期剥離や前置胎盤出血が原因で胎児のときに仮死状態を経験する周生期仮死や、陣痛が始まる前に行われた帝王切開、多胎妊娠、母体糖尿病、男児であることなどが、乳幼児呼吸窮迫症候群の発症危険因子となる。
症状
肺胞がしぼみ、呼吸がうまく出来ず、多呼吸の症状が現れる。息を吸うときに肋骨や胸骨の下が陥没するのが特徴(陥没呼吸)。症状が悪化すると、呻吟、チアノーゼ、嗜眠、不規則呼吸および無呼吸となる。
治療
人口肺サーファクタントの補充、必要に応じて酸素投与を行う。治療した場合の予後は良好で、生後4~5日を乗り越えると急激に症状が軽くなる。一方で、生後1~2日あたりに症状が急激に悪化し、呼吸不全によって死に至ることもある。