最終更新日 2024/09/24

フェイスシールド

フェイスシールドとは・・・

フェイスシールド(face shield)とは、湿性生体物質を含んだ飛沫による眼部眼・口腔への暴露を防ぐために着用する感染防護具の一つである1)。飛沫感染防止として、マスクと併用することが推奨される。



 

 

フェイスシールドの種類

単回使用と再利用可能なものとがある。
再利用可能なフェイスシールドの場合は、使用後に適切な洗浄と消毒を行う必要がある1)

 

使用する目的

フェイスシールドを使用する目的としては、以下の2つがある。

 

医療従事者を守るため

患者からの血液や体液から医療従事者の眼・鼻・口腔の粘膜を守るために装着する。

 

患者を守るため

無菌的処置を行う際、医療従事者の眼・鼻・口腔に付着している埃や病原体から患者が曝露されるのを防ぐために装着する。

使用する場面

飛沫が広範囲に飛散する可能性がある場面

・手術時
・口腔処置
・気管吸引(開放式)
・創部洗浄
・気管内挿管 および抜管時 など

 

医療器具操作時に曝露される可能性がある場合

透析などの血管穿刺
・加圧下での血液含有装置の操作時
・液体状、泥状の湿性ディスポ吸引器の処理時
・静脈チューブ・バッグ類・ポンプ取扱い時
・栄養・ベンチレーターチューブの取扱い時 など

 

外す際の注意点

フェイスシールドを外す場合は、患者のケアエリアや病棟の隔離区域から離れる際に取り外すようにする。
取り外す際は、飛沫が付着していると思われる表面には触れないように気を付ける。

 

合併症

フェイスシールドによる弊害としては、頭部のバンドによる頭痛めまい、耳の後ろの疼痛、シールドの反射による見づらさ見づらさに伴う眼精疲労などが見られる2)

 

医療現場以外でのフェイスシールドの使用

保育・教育の現場で、顔の表情を見せたり、発音のために口の動きを見たりすることが必要な場合で、透明マスクの利用が困難な場合はフェイスシールドを活用することもある。

 

しかし、飛沫の拡散防止としては不十分であることに留意し、必要な場合は十分な距離をとる3)

 

引用参考文献

1)Strategies for Conserving the Supply of Eye Protection.CDC.(2024年9月閲覧)
2)松崎一平ほか.医療従事者のフェイスシールド着用が頭痛とめまいに及ぼす影響の検討.人間工学.56(6),2020,259-263.
3)学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル(2023.5.8~).文部科学省.(2024年9月閲覧)

SNSシェア

この単語に関連する記事

用語辞典トップへ