最終更新日 2019/11/21

毛孔性苔癬

毛孔性苔癬とは・・・

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん、Keratosis pilaris)とは、毛穴に円錐形の角化した粟1~3mm程度の小さな丘疹が鳥肌のように多数みられる皮膚疾患である。毛孔性角化症とも呼ばれる。

小児期に見られ、思春期に最も多く認められる。20代以降は加齢とともに減少し、30代で自然に消えていく。小学校高学年の20%程度に見られ、健常人でも44%に見られたという報告もある。

 

原因

原因については遺伝性素因に基づいて発症するといわれ、家族内発生も多く見られる。
アトピー性皮膚炎、肥満、尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)、があると発症率が高いという報告がある。

 

症状

上腕や大腿の伸側などに多発し、左右対称である。角栓が毛穴を塞いだ状態で全体に皮膚は乾燥している。

毛孔性苔癬は触れるとざらざらとしているが、自覚症状はほとんどない。時に軽度の掻痒感を訴えることがある。また、皮膚の乾燥によって症状が悪化する傾向がある。

 

検査・診断

基本的には皮膚の症状を詳細に観察することで診断される。
病理組織学検査を提出した場合は、毛穴の拡大、角栓の形成を認め皮膚の表面に突出している所見を認める。

 

治療

主な治療法は外用剤による対症療法である。サリチル酸、尿素、ヘパリン類似物質を含む軟膏を用いる。重症例に対しては、ビタミンD3外用薬が使用されることもある。

執筆: 上村恵理

長崎大学病院 高度救命救急センター助教

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