食中毒とは・・・
食中毒(しょくちゅうどく、foodborne disease)とは、原因となる細菌、ウイルス、寄生虫、化学物質、自然毒などで汚染された食品や飲料を摂取することで起こる中毒である。
症状
多くは下痢や嘔吐などの消化器症状や神経症状である。食中毒は原因菌によって症状出現のタイミングが異なる(表1)。
表1食中毒の主な種類、症状の出現のタイミング、原因
検査・診断
診断は、どのような飲食物をいつ摂取したか(潜伏期間)問診し、そして上部消化管症状(嘔気、嘔吐など)、下部消化管症状(腹痛、下痢など)、全身症状(悪寒、発熱など)の有無を見る。
便の性状(粘血便や水様便など)の確認も重要である。
これらの診断結果を組み合わせることで、おおよその原因に見当を付けることができる。
治療法
通常は自然に症状が改善し完治する場合が多いが、まれに重篤な状態に陥ることがある。食中毒の原因によって、抗菌薬治療、胃洗浄、寄生虫の摘出などの治療を行う。
また、下痢や嘔吐による脱水の治療を行う。患者には、少量でもこまめに水分補給を行うように促す。症状が強く飲水が困難な場合は、点滴による補液を行う。
予防
予防としては、食べ物は加熱殺菌や低温保存などで細菌の増殖を防ぎ、細菌による毒素を産生させない環境をつくることが重要である。加えて、こうした細菌やウイルスなどは手にも付着することがあるため、調理の際や食べる前に石鹸と流水で手洗いを行う、またはアルコール手指衛生剤による手洗いを行って手を消毒することが大切である。