最終更新日 2019/02/13

オマリズマブ

オマリズマブとは・・・

オマリズマブ(おまりずまぶ、omalizumab)とは、ヒト化抗IgEモノクローナル抗体のことで、重症アトピー型(アレルギー型)喘息の治療と特発性の慢性蕁麻疹の治療に用いられる注射薬である。分子標的治療薬の一つである。

 

作用

本来、IgEは肥満細胞(マスト細胞)などの表面にある特異的な受容体(Fcε受容体)に結合し、肥満細胞内から種々のケミカルメディエーターが放出され、アレルギー反応や炎症反応が引き起こされる。このオマリズマブとIgEが結合することで、肥満細胞などの細胞表面の受容体とIgEの結合が阻害されるため、その後の肥満細胞などによる一連の反応が阻害され、アレルギー反応による喘息の症状の発現が抑制される。

 

抗IgE抗体による気管支喘息の治療は、高用量の吸入ステロイドと1 剤以上のコントローラー(長時間作用性β2刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤)を併用してもコントロール不良な最重症の難治性喘息において、治療の選択肢として位置づけられている。

 

副作用

主な副作用は、注射局所の疼痛・腫脹である。重篤な副作用として、ショックやアナフィラキシー反応が報告されており、対応可能な施設での使用が注意喚起されている。

 


引用参考文献
1)医療情報科学研究所.薬がみえる vol.3.メディックメディア,2016年, 601p.(ISBN9784896326406)
2)高久史麿ほか監.治療薬マニュアル2014.医学書院,2014年,2656p.(ISBN9784260018852)

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