アレルギー性紫斑病とは・・・
アレルギー性紫斑病(あれるぎーせいしはんびょう、allergic purpura)とは、主に臀部と下肢に分布する触知可能な紫斑、関節痛、消化管症状、糸球体腎炎が特徴的な非血小板減少性の全身性の小血管炎である。ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(Henoch-Schönlein purpura)やアナフィラクトイド紫斑(anaphylactoid purpura)とも呼ばれる。
アレルギー性紫斑病は小児に認められることが多く、ほとんどの患者は4~7歳であるが、幼児や成人の患者も存在する。男児に多いという特徴がある。
原因
アレルギー性紫斑病の原因については、いまだ明らかとなっていない点もあるが、IgAの関与する免疫複合体病と考えられている。また、感染などが契機となって発症することから遺伝的背景、環境因子も発症に関連していると考えられている。
症状
症状としては、皮膚症状(紫斑、血管浮腫)、関節痛、腹部症状(腹痛、血便)が三主徴である。上気道感染の1~3週間後に、四肢伸側に左右対称の紫斑が出現することが多い。他の症状より遅れて出現する腎炎の合併に注意が必要である。
診断
診断は臨床徴候、および症状に基づいて行われる。診断を確定するには、皮膚生検の免疫蛍光検査により、IgAや補体成分C3の沈着を伴う白血球破壊性血管炎の存在を証明する。
治療
特別な治療法はなく症状に応じて対症療法を行う。一般的に予後良好で自然治癒することが多いが、腹痛の強い例や腎炎合併例ではステロイドを投与することもある。