最終更新日 2018/09/18

排尿反射

排尿反射とは・・・

排尿反射(はいにょうはんしゃ、vesical reflex)とは、排尿中枢(PMC、pontine micturition center)を介した反射により、蓄尿された尿が体外に排出されることである。

 

正常の排尿には、膀胱排尿筋の収縮、内尿道括約筋と外尿道括約筋の弛緩が必要で、これらが協調して行われる。

 

神経支配は、大脳~橋排尿中枢である。排尿に関与する神経は3つある。脊髄から外尿道括約筋を支配する陰部神経(体神経)、膀胱、内尿道括約筋を支配する下腹神経(交感神経)、知覚を伝える求心路であるとともに膀胱、尿道平滑筋を機能させる遠心路としても働く骨盤神経である。

 

大脳皮質で排尿の意思が生じると、橋排尿中枢に対する抑制が解除される。その結果、仙髄副交感神経中枢が興奮し、骨盤神経を通じて排尿筋を収縮させるとともに、内尿道括約筋を弛緩させる。同時に、胸腰髄交感神経中枢と仙髄のオヌフ(Onuf)が抑制され、内尿道括約筋・外尿道括約筋が弛緩し、排尿が起こる(図1)。

 

図1膀胱および尿道の神経支配

膀胱および尿道の神経支配を示したイラスト。陰部神経(体神経)、下腹神経(交感神経)、骨盤神経の神経支配の作用がわかる。

執筆: 上村恵理

長崎大学病院 高度救命救急センター助教

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