最終更新日 2018/05/30

腎機能不全

腎機能不全とは・・・

腎機能不全(じんきのうふぜん、renal failure)とは、腎臓の働きが悪く、不十分な状態のことである。多くの場合「腎不全」と呼ばれ、その程度は軽症から重症までさまざまである。また、原因となる疾患も多岐にわたる。腎不全はその発症・進行の速度により急性腎不全と慢性腎不全に分けられる。

 

急性腎不全

急性腎不全は、数時間から数日の経過で進行する腎不全だが、可逆性があるケースがあり適切な治療によりほぼ正常まで腎機能が回復する場合もある。原因としては、出血脱水、薬剤、尿路閉塞などが挙げられる。治療はそれぞれの原因の除去と対症療法が基本となるが、重症例では血液透析などの腎代替療法が必要となる。

 

慢性腎不全

慢性腎不全は、数年から数十年の経過を経て進行する腎不全である。進行速度は緩やかであるが、一度腎機能が低下すると回復させることは困難である。原因としては、以前は慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)が最も多かったが、近年は糖尿病性腎症や腎硬化症(高血圧による腎障害)が増加している。腎不全ではあるが透析療法を要しない時期を保存期慢性腎不全といい,治療として食事療法や薬物療法などを行う。

 

急性、慢性いずれの場合においても、腎不全が進行し末期腎不全となると、腎臓の機能を代替するための腎代替療法(血液透析、腹膜透析または腎移植)が必要となる。

執筆: 山城 葵

自衛隊札幌病院 内科

執筆: 今給黎敏彦

防衛医科大学校病院 腎臓内分泌内科講師

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