ビタミンB1とは・・・
ビタミンB1(びたみんびーわん、vitamin B1)とは、水溶性ビタミンの一つである。別名、チアミンとも呼ばれる。
酸素を必要としない嫌気性代謝における解糖系や、酸素を用いる好気性代謝のクエン酸の代謝の一部で補酵素として働く。
不足すると?
ビタミンB1の摂取が不足するとこれらの経路が阻害され、特に糖質代謝が十分に機能せず、エネルギー不足につながる。通常の食生活において取りすぎになることはなく、過剰症として問題になることもない。欠乏症としては、末梢神経障害による脚気、中枢神経障害によるウェルニッケ脳症などがある。
脚気(かっけ)とはビタミンB1の不足によって末梢神経障害が生じ、下腿の浮腫や心不全もきたす疾患である。神経所見としては、腱反射の減弱、四肢脱力、運動神経障害などがみられる。
歴史
江戸時代以降、玄米から精製された白米へ主食の形態が変化して大流行した。脚気の原因について、タンパク質を原因と仮定する説や伝染病説などが唱えられたが、1910年の日本にて鈴木梅太郎が米ぬかから抽出してビタミンB1を「オリザニン」と命名し、脚気の発症に関わる重要な因子として発見した。
多く含む食品
ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉、胚芽、豆類、蕎麦、牛乳、緑黄色野菜、うなぎなどである。最近では、小児におけるイオン飲料の摂取過多や偏食によるビタミン不足が指摘されており、ビタミンB1欠乏症となって脚気やウェルニッケ脳症を発症した例も報告されている。