口角びらん症とは・・・
口角びらん症(こうかくびらんしょう、angular cheilitis)とは、唇の両端にある口角が炎症を起こす皮膚の疾患である。口角炎ともいう。
カンジダなどの真菌(カビ)による感染、ビタミンB群やビタミンAの不足、噛み合わせやよだれ(唾液の付着)、義歯による口角への刺激が原因で起こる。その他、糖尿病や貧血などの疾患や、薬剤などが原因となることもある1)。
症状
唇に発赤、かゆみ、腫れ、びらん、亀裂、出血などの症状が生じる。このため、口を開くと痛みを訴えることがある。亀裂の患部から出血することが多く、その後かさぶたになる1)~2)。
検査・診断
鑑別を要するものに口唇ヘルペスなどのウイルス疾患も存在するため、発症部位と局所所見が重要である。口唇ヘルペスの場合は水疱ができたり創部に凹みが形成されたりする。口唇ヘルペスといったウイルス疾患の特徴がなく、口角部に炎症を認めれば概ね口角びらん症と診断できる3)。
治療
感染によるものであれば抗菌薬を投与する。ビタミン不足が原因と考えられる場合は、ビタミン剤を投与する。口角の刺激がある場合はその原因を取り除き、口角の裂け目にワセリンなどの軟膏を処方する。基礎疾患が原因であるなら、疾患の治療する必要がある1)。
患者に対しては、かさぶたはなるべく剥がさず、ビタミン豊富な食事を心掛けるよう指導する。
引用参考文献
1)“県民の皆さまへ 口角炎”.徳島県医師会.
2)佐藤博子ほか. 系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[12] 皮膚.第13版,医学書院,2012,280p.(ISBN9784260013666)
3)岸本麻子ほか. “口角炎について”.J-STAGE.