HLAとは・・・
HLA(えいちえるえー、Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)とは、ヒトの主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex;MHC)である。第6染色体に存在する遺伝子によって決定される。1954年に白血球の血液型として発見され、その後ほぼすべての細胞に発現していることが判明した。
種類択
遺伝子が存在する場所を「座」というが、HLAは複数の遺伝子座の組み合わせによって構成されるため、HLAの種類は数万通りもあるといわれる。
HLA遺伝子領域は、以下のように分けられる。
クラスⅠ抗原
A座、B座、C座、E座、F座、G座の遺伝子によって作られるHLA分子。
HLAクラスⅠ抗原は、ほとんど全ての有核細胞に発現する。
クラスⅡ抗原
DR座、DQ座、DP座の遺伝子によって作られるHLA分子。
HLAクラスⅡ抗原は、免疫に関与する単球、マクロファージ、樹状細胞、B細胞に限局して発現する。
の他
A座、B座、C座とDR座、DQ座、DP座の間に存在する遺伝子(クラスⅢ領域)からは、補体などを規定する。
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植では、HLAのA座、B座、C座、DR座の4座の遺伝子の一致が特に重要と言われている。ヒトでは両親から各座半分ずつ受け継ぐため、子どもへ遺伝されるHLA遺伝子は4通りとなる。したがって、兄弟間ではHLA型は4分の1の確率で一致するが、非血縁者間での一致は数万分の1の確率となり、造血幹細胞移植の難しさを物語っている。