尿路感染症とは・・・
尿路感染症(にょうろかんせんしょう、urinary tract infection)とは、腎臓・膀胱・前立腺・尿道のいずれかに病原微生物による障害を受け、感染が成立した状態をいう。
高熱や悪寒戦慄を伴うことが多い腎盂腎炎・前立腺炎と、局所の症状のみで発熱を伴わない膀胱炎・尿道炎とを分けて考えるとわかりやすい。
また、閉塞部や異物の有無、解剖学的あるいは機能的な尿路の異常で、単純性と複雑性とに分類され、起因菌や治療期間が異なる。一般的に複雑性尿路感染症では緑膿菌や薬剤耐性菌の割合が増加するとされている。
膀胱炎・腎盂腎炎の起因菌は、成人においてプロテウス属(Proteus)・大腸菌(Escherichia coli)・クレブシエラ属(Klebsiella)を含む腸内細菌が約9割を占め、英語の頭文字をとってPEKと覚える。特に、大腸菌は7~8割を占めるとされる。尿道カテーテルを留置している患者や、過去に抗菌薬暴露がある患者では、緑膿菌や多剤耐性菌の割合が増加することが知られている。