大腸癌とは・・・
大腸癌(だいちょうがん、colon cancer)とは、大腸(結腸および直腸)から生じる悪性腫瘍の総称である。
好発部位はS状結腸および直腸である。転移する先としては肝臓が最も多く、肺や腹膜などにも転移し得る。
日本における悪性新生物の部位別死亡数でみると、大腸癌は男性で3位、女性で1位、男女合わせると2位である(2016年厚生労働省人口動態統計)。
年齢は重要な危険因子であり、40歳から年を重ねるにつれ発症率が著明に増加する。その他、欧米型の食生活、遺伝的素因なども危険因子として知られている。
大腸癌の組織型はほとんどが腺癌であり、癌の浸潤が粘膜下層までにとどまるものを早期癌、それより深くに達するものを進行癌と呼ぶ。
症状
早期癌の場合は無症状のことが多く、検診で発見されることが多い。進行するに従い、便秘、下痢、血便、腹痛などの症状を呈するようになる。
診断
血液検査では貧血を認めることがある。腫瘍マーカーの検査で、CEAやCA19-9の上昇が認められることもあるが、早期の陽性率は高くないため、腫瘍マーカーだけで診断することはできない。診断は下部消化管内視鏡検査を行い、肉眼所見での評価に加えて、必要に応じて生検を行い病理学的に診断する。進行度を診断するために、CT、MRI、PET/CTなどの検査を追加することもある。
大腸癌の治療には、内視鏡的治療、外科的治療、化学療法などがある。治療方針は、深達度や転移の有無などにより決定される。