跛行とは・・・
跛行(はこう、claudication)とは、何らかの障害により、正常な歩行ができない状態を指す。つまり、かばうように歩いたり、足をひきずったりとした異常歩行のことである。
そもそも歩行は、神経(視覚、平衡覚など)と、筋骨格(筋肉、骨、関節など)が精密に連携して成り立つ。このうち何か一つでも障害を受けると、歩行の異常、つまり跛行が生じる。
疼痛による跛行(逃避性跛行)
外傷・感染・炎症などが原因で、歩行動作や下肢への荷重により疼痛を感じる場合、痛みを避けるように患側の荷重時間が短くなり、健側での荷重時間が長くなる。
特徴的な跛行パターンに、間欠性跛行がある。これは比較的短い距離の歩行において、下肢痛や、しびれが出現・増悪して歩行困難となる。しかし、休息により軽快し、再び歩行可能となる状態を繰り返す。
原因により、神経性間欠性跛行(腰部脊柱管狭窄症が原因として多く、前屈などの姿勢で休息すると症状が軽快する)と、血管性間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症などが原因となり、姿勢に関係なく休息することで症状が軽快する)に分けられる。
筋力低下による跛行
殿筋などの体幹近位筋肉自体の低下、または、筋ジストロフィーなどが原因となり筋力低下を起こした場合に生じる。特徴的な跛行として、中殿筋の機能不全により、患側下肢で荷重した際に、骨盤を水平に保てずに骨盤が反対側(健側)に傾くTrendelenburg(トレンデレンブルグ)跛行が挙げられる。
形態異常による跛行
脚長不等、関節可動域障害や、関節変形・拘縮などが原因で生じる。