最終更新日 2018/06/04

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは・・・

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう、lumbar spinal canal stenosis)とは、腰椎部の脊柱管内の脊髄のスペースが狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫され神経刺激症状や神経脱落症状を呈したものである。主に中高年に発症し、間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴的である。間欠性跛行は原因により、脊柱管狭窄症による馬尾神経性のほかに、血管性、脊髄性の3種類があり、鑑別が重要である。なお、腰部脊柱管の狭窄状態があっても、下肢の神経症状を呈していないものは腰部脊柱管狭窄症とはみなされない。

 

原因

腰椎を構成する多くの組織の退行性変化(加齢変化)が狭窄状態を形成する原因となる。

 

病態

脊柱管狭窄状態により馬尾神経や神経根は圧迫される。その形態変化は徐々に進み、神経組織もある程度までは順応して無症状で経過するが、限界を超えると神経刺激症状(下肢の痛み、しびれ)や神経脱落症状(下肢の筋力低下、感覚障害)を呈するようになる。

 

症状

馬尾神経性間欠跛行が典型的な症状。馬尾神経性間欠跛行ではしゃがみ込むと症状が改善する特徴がある。症状は立ち仕事や歩行などで増悪するため、形態上の変化の程度だけでなく、日常生活や仕事での活動性の程度によっても症状の重症度は左右される。

 

検査・診断

間欠跛行の把握および血管性間欠跛行との鑑別が重要である。脊柱管の狭窄状態にはMRIが、骨組織の詳細にはCTが有効である。

 

治療

生活指導、コルセット、薬物療法などの保存療法がメインである。効果が不十分な場合は手術加療を行う。

執筆: 岩﨑 寛

神戸マリナーズ厚生会病院 救急科救急部長

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