体液とは何を指すの?|体液の成分と働き
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は体液に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
体液とは何を指すの?
体液とは生体内にある液体成分の総称で、細胞内液と細胞外液に大別することができます(図1)。
細胞内液は、細胞内に含まれる水分のことです。
細胞外液はさらに、管内液と管外液に分けられます。管内液は、文字通り管のなかを流れる液体で、血管を流れる血漿(血液の液体成分)、リンパ管を流れるリンパ液、脳内を流れる脳脊髄液などがあります。
管外液は細胞の外にあり、なおかつ管腔を流れない液体のことです。これを組織液(間質液、組織間液)といいます。
組織間液はもともと血液に含まれていた液体成分ですが、毛細血管から染み出し、細胞と細胞の間の組織(組織間隙)にたまったものです。細胞は組織液に浮かんでいる状態ということもできます。
それではなぜ、毛細血管から液体成分が染み出るのでしょう。
それは、毛細血管壁を通して、血液と組織液の間で物質交換が行われるためです。組織液と細胞の間でも、細胞膜を通して物質交換が行われています。
こうして組織液が仲介者になることにより、細胞に酸素や栄養素を届けたり、細胞から老廃物を回収することが可能になるのです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版