内部環境と外部環境の違いは?|体液の成分と働き
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は内部環境・外部環境に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
内部環境と外部環境の違いは?
内部環境と外部環境の考え方の基本になるのは、ヒトを含めた多細胞生物にとって、生命の基本が生体を構成する細胞であるということです。
外部環境は細胞の集まりである生体を取り巻く環境のことです。空気、気温、湿度、光、闇、音、静けさというように、私たちはさまざまな環境に取り巻かれ、影響を受けながら生命を維持しています。生体の外にある環境ですから、これらを外部環境といいます。
内部環境は、生体を構成している37兆個の細胞の一つひとつを取り巻く環境のことです。生体は、酸素や栄養素を外部から取り入れ、血液などの体液を通じて全身の細胞に送り届けています。
そして、細胞の活動で不要になった物質は、同様に体液を通じて排泄されます。すなわち、一つひとつの細胞にとってこれらの液体成分は、細胞の生命維持に直接かかわっている環境なのです。
この液体成分は細胞の外にあるため、細胞外液といいます。そして体のなかにある環境という意味で内部環境とよばれます。
※編集部注※
当記事は、2018年11月5日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版