体液とは何を指すの?|体液の成分と働き

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

今回は体液に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

体液とは何を指すの?

体液は生体内にある液体成分の総称で、細胞内液と細胞外液から構成されています(図1)。

 

図1体液の分類

体液の分類

 

細胞内液は、細胞内に含まれる水分のことです。

 

細胞外液はさらに、管内液と管外液に分けられます。管内液は、管の中を流れる液体で、血管を流れる血漿(血液の液体成分)、リンパ管を流れるリンパ液、脳内を流れる脳脊髄液があります。

 

管外液は細胞の外にあり、かつ管腔を流れない液体のことです。これを組織液(間質液、組織間液)といいます。

 

組織間液はもともと血液に含まれていた液体成分ですが、毛細血管から染み出し、細胞と細胞の間の組織(組織間隙<かんげき>)にたまったものです。細胞は組織液に浮かんでいる状態ということもできます。

 

それではなぜ、毛細血管から液体成分が染み出るのでしょう。

 

それは、毛細血管壁を通して、血液と組織液の間で物質交換が行われるためです。組織液と細胞の間でも、細胞膜をとおして物質交換が行われています。

 

こうして組織液が仲介者になることにより、細胞に酸素や栄養素を届けたり、細胞から老廃物を回収することが可能になるのです。

 

※編集部注※

当記事は、2018年11月12日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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