グレープフルーツと降圧剤の組み合わせが禁忌なのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は降圧剤の服用に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
グレープフルーツと降圧剤の組み合わせが禁忌なのはなぜ?
カルシウム拮抗剤はグレープフルーツジュースで服用すると、血中薬物濃度が上昇し副作用を生じることがあるためです。
カルシウム拮抗剤を阻害する因子とは
降圧剤のなかでもカルシウム拮抗剤では、グレープフルーツジュースで服用すると、カルシウム拮抗剤に対する分解酵素が、グレープフルーツジュース中のフラノクマリンという物質によって阻害されます。そして、血中の薬物濃度が上昇し、薬物による血管拡張作用が増強され、頭痛、顔面紅潮や動悸などの副作用が出現しやすくなります。
カルシウム拮抗剤のなかでも副作用が出やすいものと、影響の少ないものがあり、またグレープフルーツジュース以外の柑橘類のいくつかには類似した作用を生じるものがあり、服薬に際しては注意が必要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版