ナースが家庭に入ると赤字に!?専業主婦とママナース、10年間の家計簿シュミレーション!

ナースのお金に関する悩みをプロの視点からアドバイス!

働く女性のマネー術に詳しいファイナンシャルプランナー花輪陽子さんがナースのお金の悩みに答えます。

 

ナースが家庭に入ると赤字に!?専業主婦とママナース、10年間の家計簿シュミレーション!

「看護師の仕事はやりがいはあるけどハードだし、子どもができたら家庭に入りたいな。でも旦那さんの給料だけでやっていけるのかな?」と悩む人、いらっしゃいますよね。

 

そこで今回は、専業主婦になった場合、ママナースになった場合それぞれの10年間の家計簿をシュミレーションしてみましょう!

 

 

[仮定条件]
ナス子さん(29歳)旦那さん(32歳サラリーマン)
結婚2年目。今年(2015年)と2年後に出産予定。

・旦那さん手取り年収:450万円
・ナス子さん手取り年収:380万円(出産前の年収。夜勤あり)
・生活費(※1):年間360万円(月々25万円+旅行等の特別費用60万円 )
・住居費:年間150万円(月々12.5万円)
・前年の貯蓄残高: 300万円
・出産にかかる費用(※2):20万円
・入園・入学関連費用(※3):10万円

(※1)住居費、教育費、出産費用以外のすべての支出
(※2)妊婦健診の助成や出産育児一時金42万円を差し引いた金額
(※3)入園・入学グッズなどの費用

 

専業主婦の場合:支出の見直しが必須!

 

まずは10年間専業主婦として、育児・家事に専念した場合の試算結果を見てみましょう。

 

10年後の貯蓄残高⇒⇒⇒▲798万円!!

 

[専業主婦の家計簿シュミレーション]

 

なんと800万円近い大赤字です。ただし、これは出産前と同じ支出を続けた場合。

専業主婦になることで、収入が旦那さまの給料だけになるため、この例では初年から年間収支が赤字に転落し、貯金を切り崩すことになります。

そして、第一子が幼稚園(※3)に入園する年には、貯金が底をつくことに・・・。

 

(※3)幼稚園代:年49万円(私立幼稚園で習い事なども含む)で試算

 

子育てに専念したいと思っている場合、夫婦共働きの時より生活費を抑えて年間収支を赤字にしない工夫が必要です。

 

今回の例の場合、住居費と生活費で年間450万円(月々37.5万円)以内に押さえるようにしましょう。

 

仮に、住居費を年間100万円(月々8.3万円)、生活費を年間270万円(月々20万円+特別費30万円)にした場合、10年後の貯蓄残高は600万円超になります。

 

[専業主婦になり、支出を抑えた場合の家計簿シュミレーション]

 

また、気をつけたいのは、専業主婦になることでママ友とのおつきあい費子どもの習い事の費用が膨らむことです。こうした出費に備えて、あらかじめ予算を作り、支出が膨らみすぎないように注意しましょう。

 

ママナースの場合:時短でも10年後の貯蓄は1,300万円以上!

次に、10年間、仕事と育児・家事の両立を続けた場合はどうでしょう?

 

10年後の貯蓄残高⇒⇒⇒1,348万円!!

 

ママナースとして仕事を続けることで、出産前と同じ支出を続けても10年後には1,300万円以上の貯蓄残高が見込めます。

 

[時短ママナースの家計簿シュミレーション]

[仮定条件]

●第1子、第2子共に1歳から保育園に預ける
保育料:年60万円で試算(認可保育園。第2子割引や年齢が上がることによる減額もあり)

●復職後は、日勤のみ6時間の時短で勤務する

●ナス子さん収入の推移
・第一子出産後の育児休業中:220万円
・1回目復帰後の手取り年収:240万円
・第二子出産後の育児休業中:140万円
・2回目復帰後の手取り年収:240万円

 

仕事を続けることで、育児休業中にも育児休業給付金の支給があり、育休開始から180日目までは育休前の賃金の67%、181日目からは50%受け取ることができます。

 

保育料はかかりますが、働くことで増える収入のほうがずっと多くなります。今回は認可保育園利用で算出しましたが、院内託児所を使えばさらに保育料を抑えることができるでしょう。

 

また、収入面においても今回は時短勤務を仮定しましたが、日勤のフルタイムやさらに夜勤もすれば、当然その分だけ潤ってきます。

 

仮に、今回の例で日勤フルタイムで働いた場合(手取り年収320万円と仮定)、10年後には2,000万円超の貯蓄残高が見込めます。

 

[日勤フルタイムのママナースの家計簿シュミレーション]

 

なお、仕事を続ける場合、専業主婦に比べて外食費化粧品代などが増える傾向にあります。

また、育児と仕事のストレス散財ということも考えられますので浪費には十分に注意をしましょう。

 

教育費は1人あたり1300万円?

さて、10年目の2024年にはナス子さん39歳、旦那さん42歳、子どもが小学校3年生と1年生です。

そろそろ教育費が気になる頃ですね。専業主婦の方は復職を考え始めるタイミングでもあります。

 

教育費はいったいどれぐらいかかるのでしょうか?

 

子ども一人当たりの教育費は公立か私立によって大きく変わります。

小学校から大学まで公立の場合で約700万円、小学校は公立で中学から大学まで私立の場合約1300万円かかるというデータもあります(文部科学省 子どもの学習費調査)。


中学受験のために塾通いとなると小学校高学年からの塾代も高額になるため、多くの家庭では共働きでないと教育費を支払うことがむずかしくなります。

 

こうした先々の教育費のことも頭に入れながら出産後のキャリアプランを考えるようにしたいですね。

 


【著者:花輪陽子】

ファイナンシャルプランナー(FP)。元外資系の投資銀行勤務。OL時代にはまったショッピングによりカードローンの残高は最大200万円に。失業も経験する。お金にコンプレックスがあり、勉強してFPになる。著書に『30代で1000万円貯める!共働き夫婦のマネー術』(日本経済新聞出版社)、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』(マガジンハウス)、『貯金ゼロ借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など。
オフィシャルサイト http://yokohanawa.com/

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