体幹の抑制時の注意点
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は体幹の抑制時の注意点について解説します。
佐々木祥子
東京都看護協会/小児看護専門看護師
体幹の抑制
体幹の抑制は、採血や胃管挿入時など一時的に行う場合と、手術後の絶対安静や人工呼吸器使用時など、重症度の高い患児に継続的に行う場合とがある。
おくるみ
一時的な抑制に用いられる
❶ベッドにバスタオル(シーツ)を広げ、その上に患児を寝かせる(図1)。バスタオルの右端で患児の右上肢を覆い、そのまま背部を通して、患児の左側へ出す。
図1 バスタオルの上に患児を寝かせる
POINT
■患児の体格により、はじめに寝かせる位置を工夫する。
❷左側に出したバスタオルで、患児の左上肢を覆い、そのまま背部に敷き込む(図2)。
図2 左上肢を包む
EVIDENCE
■両上肢をしっかり覆わないと、処置中に手を出してしまい、効果的な抑制が行えない。
❸バスタオルの左側で、患児の全身を覆い、右側から背部に敷き込む(図3)。
図3 バスタオルの左側で包む
POINT
■頸部や胸腹部が圧迫されていないか、呼吸状態を観察する。
処置時に抑制する際の留意点
処置の前に
処置をする前に、「どのような処置を行い、どのくらい時間がかかるのか」を患児に説明し、協力を得る。患児が自ら処置にのぞめるよう支援し、理解や協力が十分に得られない場合のみ、抑制を行う。
やむをえず抑制する場合は、患児・家族にどのような方法で行うかを説明し、了解を得る。その際、抑制の方法を患児が選択できるようにする。
処置中は
処置中は適宜声かけをし、押さえつけられることによるストレスを和らげ、患児の反応を観察する(図4)。
図4 声かけをして反応を観察する
処置が終わったら
処置が終わったら速やかに抑制を解除し、がんばりを認めてほめる。
家族が処置に立ち会わない場合は、処置中の様子を伝え、家族からもがんばったことをほめてもらう。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ